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  • 執筆者の写真松本 啓嗣

『シェアド・コンテンツマーケティング(10)』プラットフォームを共有するメリットとデメリット


資金などリソースが限られる起業家や小規模中小企業などスモールビジネスの事業者にとり、コンテンツマーケティングで成果を上げるのは、ネットで踊る華やかなフレーズとは裏腹に、かなり厳しい現状です。そこで、そんなスモールビジネスのコンテンツマーケティングとして注目を浴び始めた、「共通のメディアプラットフォームを共有してコンテンツマーケティングを展開できる『シェアド・コンテンツマーケティング』」のメリットとデメリットを見てみましょう。


シェアドコンテンツメディア①:短期間で成果を上げるマーケティングの融合

主な内容

  • スモールビジネスに必要な新たなコンテンツマーケティングとは?

  • スモールビジネスのためのコンテンツマーケティングの:新たな選択肢

  • シェアドコンテンツマーケティングの14のメリット

  • シェアドコンテンツマーケティングの3つのデメリット

  • シェアドコンテンツマーケティングの可能性

◇◇◇◇◇◇◇

■スモールビジネスに必要な新たなコンテンツマーケティングとは?

何が効果的なマーケティングなのかは、事業者ごとのその時々の状況、ニーズや目的などにより異なります。例えば、多くの起業家やベンチャー、小規模中小企業等、スモールビジネスとされる事業者の多くは、資金などリソースが大幅に限られるという課題を常に抱えています。

そんなスモールビジネスの事業者が、十分なマーケティング予算を割ける事業者と同じようにコンティングマーケティングを始めても、おそらく好ましい結果にはならないでしょう。マーケの得ダネの記事でも何度もお話ししていますが、コンテンツマーケティングで成功している事業者はには、はっきりとした傾向があります。それは、「十分なコストをかけていること」、「体力があること」、そして「外注していること」です。

  • コンテンツマーケティングに月30万円以上コストをかけている

コンテンツマーケティングで成果を出している事業者の多くは、月に30万円以上のコストをかけています。それでもなお、他のマーケティングの施策も行えるなど、余裕をもって事業を展開できる事業者がほとんどです。30万円かけてキツキツではおそらくいい結果はでません。最近の調査では月に50万円~100万円以上コストをかける事業者が最も多いようです。以前は30万円~50万円が最も多かったのですが、おそらく、コンテンツマーケティングの効果を確認した事業者は、さらにコストを増やす傾向にあるからだと思われます。逆にコンテンツマーケティングにかけるコストが月30万円未満の場合、成果を出している事業者は極端に少なくなります。

  • 成果がなくても業務を維持できる体力がある

コンテンツマーケティングは成果がでるまでに時間がかかるのがデメリットです。特に収益として貢献できるようになるまでには、コンテンツが認識され、読者を多く集めてからも、さらにタイムラグがあります。他諸々の条件にもよりますが、成果がでるまでは、最低でも半年から1年はかかります。場合によっては数年、目立った成果がないこともあります。それでも業務に支障なく継続できる体力が必要です。

  • コンテンツマーケティングの運営を外注している

コンテンツマーケティングの日々の運営・運用にはそれなりの業務負荷がかかります。クオリティを下げず継続できるだけの体制をしっかり整えることが大切です。残念ながら、多くのスモールビジネスの事業者は、運用を継続できずに途中で取り組みを断念してしまいます。成果を出している事業者では、この業務負担が大きい日々の運営・運用、つまり継続的なコンテンツの作成をアウトソースしているケースも多いようです。質の高いコンテンツを作成し続けることは、単なる業務作業ではなく、クリエィティブな仕事でもあります。質の悪いライティングでは、いくら外注しても成果を出せないばかりか、評判を落とし逆効果になります。また、コンテンツマーケティングはコンテンツ作成だけでが仕事ではありません。企画、コンセプト、目標設定、計画、準備、運営・運用、効果測定、評価、改善・・・など、やるべき仕事は多岐に亘ります。

もし、あまりコストもかけず、外注もしないということであれば、コンテンツマーケティングを始めるあたっての最低限な知識やノウハウはもちろんのこと、日々の業務運営の負担を含め、全ての仕事を自前で賄い、その上で、本来の日々の業務も支障なく回すことが必要になります。これは、起業家や小規模中小企業の事業者にはかなりの負担になります。コンテンツマーケティングに取り組む際には、ぜひ、この現状をしっかりと認識し、十分な検討を行ってください。

コンテンツマーケティングを始めて、「こんなはずではなかった」と後悔する事業者も多くいます。貴社がこのようなことにならないよう、いいことばかりの情報には踊らされない冷静な目を持つことも必要です。

 

スモールビジネスのためのコンテンツマーケティング:新たな選択肢

とは言え、コンテンツマーケティングはとても有効なマーケティングです。日本の全ての事業者が取り組むべきとも言えます。確かに、なかなか成果が出づらく、直ぐには収益に結びつかないデメリットもあります。しかし、一たび、見込客や既存客との関係性が構築され、ブランド認知が確立されると、見込客発掘や集客が容易になり、安定的な収益にも繋がります。

そこで、新たな選択肢となるのがシェアドコンテンツマーケティングです。既にマーケの得ダネの記事をお読み頂いている方には、もう説明は不要ですが、簡単に定義すると以下の通りです。

自社サイトを運営しないで、共通のメディアプラットフォームを共有し、それぞれがコンテンツを配信するコンテンツマーケティング。

ただし、どんなことでもそうですが、シェアドコンテンツマーケティングが万能ということではありません。メリットもデメリットもあります。事業者によってはシェアドコンテンツマーケティングが向かいない場合もあります。

今回の記事では、シェアドコンテンツマーケティングのメリットとデメリットについてお話します。

 

■シェアドコンテンツマーケティングの14のメリット

シェアドコンテンツマーケティングには様々なメリットがあります。ニーズや目的、方針などとも照らし合わせて、自社のマーケティングに合うかを検討する必要があります。

  1. メディアサイトに既に対象となる読者がいる(集客が簡単)

  2. 少ない予算で始められる

  3. インフラの準備がいらない

  4. 直ぐに始められる

  5. 比較的早い効果が期待できる

  6. 自社商材(製品やサービス)を直接コンテンツにできる

  7. コンテンツが蓄積され資産になる(ストック型メディア)

  8. タイミングが重要なタイムリーな記事などにも向いている(フロー型メディア)

  9. 一つ一つの記事が短く済む

  10. 更新頻度が途切れてもあまり影響がない

  11. コンテンツ制作が比較的容易である

  12. 人的負担が少なくて済む

  13. 運営を継続しやすい

  14. 既存のコンテンツマーケティングとの併用でさらに相乗効果が期待できる

では、一つ一つを見てきましょう。

1. メディアサイトに既に対象となる読者がいる(集客が簡単)

シェアドコンテンツマーケティングを始める上での最大のメリットと言えます。例えば、何かのフェアなどの業界イベントで多く人が集まる場で出展するのと、自社店舗やオフィスだけでお客を集めるのとでは、どちらが集客効果が高いでしょうか?また、路面店舗とショッピングモールにテナントとして出店するのでは、どちらがより多くの来店客を期待できますか?シェアドコンテンツマーケティングでは、メディアサイト自体で集客していますので、既に対象となる読者が多くいます。集客効果が、自社サイトで運営するよりも高いと言えます。もちろん、記事をSNSなどで拡散すれば、さらに集客効果は高まります。また、メディアの成長と共にマーケティング効果が高まることも期待できます。

2. 少ない予算で始められる

コストはメディアにも異なります。しかし、通常は、自社サイト運用で成果を出すために必要されるコスト(月30万円以上)になることはまずありません。比較的少ないコストで始められます。

3. インフラの準備がいらない

メディアサイトが既に用意されていますので、サイトを用意する必要はありません。ドメイン登録もサーバーの手配も不要です。それらに係るランニングコストもありません。

4. 直ぐに始められる

インフラが整っているので、サイトメディアでのアカウント登録をするだけで直ぐに始めることができます。

5. 比較的早い効果が期待できる

従来のコンテンツマーケティングでは、コンテンツを認知させ、アクセスを集め、サイトを育てるまでに数多くのコンテンツを公開し、やっと少しづく読者が集まる、という長い時間のプロセスを踏みますが、シェアドコンテンツマーケティングでは、その期間を大幅に短縮できますので、比較的早い効果が期待できます。

6. 自社商材(製品やサービス)を直接コンテンツにできる

従来のコンテンツマーケティングでビジネスブログを書く場合は、ノウハウやハウツーなどナレッジベースをコンテンツにし、商材(製品やサービス)そのものをコンテンツにすることはタブーとされていました。商材がコンテンツでは読者が定着せず、逆効果になります。しかし、直接自社商材を紹介できないことが、特にスモールビジネスの事業者にとっては、ジレンマにもなっていました。シェアドコンテンツマーケティングでは、自社商材を直接コンテンツにして配信できるメリットがあります。

7. コンテンツが蓄積される(ストック型メディア)

シェアドコンテンツマーケティングでも、一度公開したコンテンツは削除されない限り、半永久的にウェブページとして蓄積されます。ですから、いつでも検索するこができます。また、コンテンツが増えれば増えるほど、メディアサイト上、あるいは検索エンジンの検索結果からも見つけられやすくなります。

8. タイミングが重要なタイムリーな記事などにも向いている(フロー型メディア)

これも従来のコンテンツマーケティングにはない特徴です。シェアドコンテンツマーケティングでは直接商材をコンテンツにできるだけではなく、適時性(タイミング)が重要な新製品や新機能の紹介、アップグレードの情報や不具合の報告、あるいはイベントの告知や案内など、タイムリーな情報発信にも向いています。

9. 一つ一つの記事が短く済む

シェアドコンテンツマーケティングでは、メディアの性格上、通常のコンテンツマーケティングのような長いコンテンツには向いていません。逆に言うと、短い記事でコンテンツにできますので、記事投稿が簡単で負担も軽減できます。記事の目安は1000文字以内とされています。

10. 更新頻度が途切れてもあまり影響がない

シェアドコンテンツマーケティングでは、複数の事業者がコンテンツを配信します。そのため、仮に何らかの事情で記事の更新が途切れることがあっても、サイトアクセスにはあまり影響がありません。

11. コンテンツ制作が比較的容易である

自社商材(製品やサービス)をコンテンツにできますので、話題やテーマなど、記事のネタは社内外に豊富にあります。ノウハウやハウツーなどナレッジベースのコンテンツよりも、比較的容易に記事が書けるメリットがあります。

12. 人的負担が少なくて済む

これらのように様々な負荷が軽減できますので、人の負担も少なく、既存のリソースでも始めやすのもメリットです。

13. 運営を継続しやすい

また、運営上の負担が減るということは、長く継続できるということであります。

14. 既存のコンテンツマーケティングとの併用でさらに相乗効果が期待できる

既にコンテンツマーケティングに取り組んでいる場合は、併用することで、ビジネスブログ(従来のコンテンツマーケティング)と商材コンテンツ(シェアドコンテンツマーケティング)の間での相乗効果が期待できます。商材コンテンツを入り口にしてビジネスブログへの動線を確保する、あるいはビジネスブログと商材ブログとの行き来など、自社サイトとの回遊効果も期待できます。

 

■シェアドコンテンツマーケティングの3つデメリット

シェアドコンテンツマーケティングには多くのメリットもありますが、全てが良いこと尽くめではありません。デメリットもあります。それほど多くはありませんが、事業者にとっては譲れない一線かもしれませんので、デメリットもしっかりと把握した上で、取り組むか、取り組まないかを判断する必要があります。

  1. 自社サイトの資産形成には向かない

  2. 自由度が少ない

  3. 自社だけの読者を囲めない

それでは、一つ一つを見ていきましょう

1. 自社サイトの資産形成には向かない

シェアドコンテンツマーケティングではどうしてもできないことは、自社サイトの育成と強化です。各社共有のプラットフォームでコンテンツを配信しますので、コンテンツがどれほど受け入れられても、それ自体が直接、自社サイトを強化し、自社サイトの資産を形成することにはなりません。従って、自社サイトの資産形成にこだわる、あるいはそれが絶対的な目的の事業者には向きません。

シェアドコンテンツマーケティングで自社サイトを強化できるのは、コンテンツマーケティングを併用した場合の間接的相乗効果か、あるいは、まずはシェアドコンテンツマーケティングで比較的短期間でリードを集めて(集客して)認知を高めた上で、自社サイトにアクセスを集める、またはコンテンツマーケティングなどに取り組む場合です。

2. 自由度が少ない

当然のことながら、メディアサイトは運営者が管理するものなので、サイトの趣旨や目的、デザインやフォーマット、機能などの制限を受けることになります。また、サイトの趣旨にそぐわないコンテンツを掲載し続ける事業者は、運営者より登録削除を受けこともあります。さらには、自社サイトではないので「こんな機能が欲しい」、「こんな使い方をしたい」と思っても、対応できないことも多くあります。

3. 自社だけの読者を囲めない

共有のプラットフォームなので、利用者は他社のコンテンツも目にし、読むことになります。自社の読者だけを囲い込むことはできません。自社に惹きつけるには、それなりの見せ方や工夫も必要です。ただし、イベントでのブースの出展やショッピングモールでの出店のようなものなので、自社サイトで一から集客することを考えると、逆にメリットとも言えます。

 

■シェアドコンテンツマーケティングの可能性

一番のデメリットはどんなにコンテンツを増やしても、自社サイトの育成や強化など資産化には貢献しない点です。ここにどうしてもこだわりたい場合は、シェアドコンテンツは選択肢にはなりません。

また、シェアドコンテンツマーケティングの成果を疑問視する意見もありますが、この点については、むしろ、従来のコンテンツマーケティングの方が、既にその難しさが明らかとも言えます。特に、収益への貢献を最終的な成果と捉えると、その道のりはかなり長く、時には過酷かもしれません。いずれにせよ、長期にわたる地道な取り組みが必要です。

シェアドコンテンツマーケティングと従来のコンテンツマーケティングの違いを分かりやすくすると以下のような感じです。

  • 自社ビルを建てますか? それとも、オフィスビルで事務所を借りますか?

  • 路面店で出店しますか? それとも、ショッピングモールで出店しますか?

  • 自社単独で集客しますか? それとも、業界イベントに出展して集客しますか?

それぞれの違いは、「自分一人でやりますか?」、それとも「みんなでシェアして一緒に盛り上げますか?」ということです。そして、「もしシェアしていいのなら、喜んでその場を提供します。だから、最高のものを提供して下さいネ」というのが、シェアドコンテンツマーケティングです。

新時代のビジネスのキーワードは「シェア」です。

自社サイトでコンテンツマーケティングを運営し、コツコツとサイトを育成するのも一つの方法ですが、長い時間がかかります。

しかし、シェアすることで共通の興味や関心を持つ人が集まるプラットフォーム手に入れ、メディアを形成することができます。そのため集客効果が高まり、また情報の伝達力もより強くなり、伝達も高まります。また、プラットフォームから自社サイトへの動線も作れます。つまり、自社サイトへの集客ツールとしても活用できます。

インターネットでは次から次へと新たなプラットフォームが生まれます。そのほとんどは誰でも簡単にアクセスできます。プラットフォームは巨大なインターネットの情報網の一部であり、巨大なインターネットの中で見つけたい「誰か」に辿り着くためのゲートウェイでもあります。また、プラットフォームそのものが成長することで、その「誰か」へのアクセスビリティもどんどん高まります。さらには、プラットフォームの成長と共に新たな機能が生まれることもあります。プラットフォームを共有する「シェアドコンテンツマーケティング」の可能性は、まだまだ発展途上ですが、その可能性は大いに期待できそうです。

自社サイトでやるか、プラットフォームでやるか、事業者にとっては重要な選択にもなりそうです。

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