シェアド・コンテンツマーケティングが従来のコンテンツマーケティングと違う点は、ネイティブ広告(ネイティブアド)の要素を備えていることです。共有のプラットフォームを通して配信されるコンテンツなので、メディアプラットフォームに自然と溶け込み融合しているからです。実は、シェアド・コンテンツマーケティングが自社商材(製品やサービス)を直接コンテンツにできるのも、また、読者を惹き込むことに優れているのも、このネイティブ広告の機能を持っているからです。
主な内容
多くのネットユーザーは広告にうんざりしている
シェアドコンテンツマーケティングならネイティブ広告も受け入れられやすい
製品やサービスの情報をダイレクトに知りたいというユーザーも多くいる
シェアドコンテンツマーケティングでネイティブ広告を展開して商材ブログの読者を獲得する
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■多くのネットユーザーは広告にうんざりしている
今、世界で最も多く広告に触れる場は、インターネットの中ではないでしょうか?まさに広告氾濫地帯の様相を呈しています。正直、ネット利用者は、この広告の多さにうんざりしています。近年、ネットでの広告の反応率が下がっている理由の一つです。
そこで、注目を浴びるのがネイティブ広告(ネイティブアド)という広告の手法です。
JIAA(日本インタラクティブ広告協会)の「ネイティブ広告の定義と用語解説」の定義をお借りして説明すると以下の通りです。
”
デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと⼀体化しており、ユーザーの情報利⽤体験を妨げない広告。
”
つまり、「読んでいるコンテンツの中に自然に溶け込む広告」「コンテンツの一部のような広告」です。特にインターネット時代の新しい広告というわけではなく、そのずっと以前からよく使われている広告の手法です。わかりやすいところでは、雑誌の記事広告がいい例です。
ネイティブ広告(ネイティブアド)については、別な記事でもお話しています。ぜひ、ご参照下さい。⇩
要するに、広告にうんざりしているユーザーにも広告のコンテンツに惹きこめることを期待する広告の手法、ということです。特に商品やサービスなどの商材をアピールしたい時や、また、「商品に直接、あるいは強い興味がない人」にも届けて潜在見込客を発掘したい時に向いています。
ただ、注意も必要です。
|ユーザーは広告で邪魔されるのがイヤ!
ネイティブ広告はコンテンツに溶け込み、自然とユーザーの視界に入ります。その時、ユーザーが邪魔されたと思うかどうかは別にしても、確実にコンテンツに広告が割って入ります。そして、広告の内容やリンク先がユーザーが求めるものや期待するも、あるいは価値を感じるものでなければ・・・
|騙された!
と、感じてしまいます。
コンテンツに自然に溶け込む広告である分、「騙された」という気持ちを持たせてしまうと、ユーザーの不快感は一気に増します。ネイティブ広告を出稿する際には、この点の配慮や注意が必要です。
■シェアドコンテンツマーケティングならネイティブ広告も受け入れられやすい
シェアドコンテンツマーケティングの特徴でもあり、ある意味メリットとも言える点で、「ネイティブ広告としてユーザーに受け入れやすい」、ということがあげられます。
ユーザーは
広告とわかっても違和感を感じにくい
さらには
最初から広告とわかって受け入れている
・・・そんな特徴があります。メディアサイトそのものが、そういう構成になっているからです。
実は、シェアドコンテンツマーケティングを厳密にネイティブ広告(ネイティブアド)と定義できるかどうかは、議論の余地が残ります。しかし、多分にその要素を含んでいます。マーケの得ダネでは、あえてネイティブ広告(ネイティブアド)として、記事を書いていきます。
※ ネイティブ広告と評価されるべき条件については、先ほどの記事の「■ネイティブ広告の評価ポイント」をご参照下さい。⇩
いずれにせよ、ユーザーは記事を広告であることを(ある程度)認識し、それを知った上でコンテンツを見るということになります。ノウハウやハウツーなどナレッジ(知識)をベースにしたビジネスブログを書くコンテンツではあり得ません。
■製品やサービスの情報をダイレクトに知りたいというユーザーも多くいる
ビジネスブログ(従来のコンテンツマーケティング)の手法では、潜在的なニーズを持つ層を集め、コンテンツの読者にし、ニーズを顕在化させ、案件化させるプロセスを踏みます。デメリットは、このプロセスを仕組化し、成果を安定的に生み出すまでには、とても長い時間が必要になる点です。しかし、メリットは、一たび仕組みが確立されると、安定的なリードを生成することができることです。いわゆる自動集客が可能になります。
しかし、ここで無視できないことは、検索エンジンで検索しないユーザーの中にも、商材(製品・サービス)の情報を求めている層がたくさんいることです。つまり、コンテンツマーケティングの読者にも、ビジネスブログを読むより、実際には・・・
”
製品やサービスの情報をダイレクトに知りたいというユーザーも多くいる!
”
と、いうことです。特に資金などリソースが大幅に限られる起業家やベンチャー、中小企業などスモールビジネスの事業者は、絶対に無視してはならない潜在客層です。これらは、
”
ビジネスコンテンツに惹き込むより先に集めたい潜在見込客
”
です。無視できないばかりか、従来のコンテンツマーケティングで集める読者層より重要かもしれません。
もちろん、コンテンツマーケティングは全ての事業者に有効です。皆さんに取り組んでもらいたいものです。しかし、一定の成果が出せるまでにはどうしても時間がかかるため、並行して、あるいは、それに先行して、まずは取り組むべきものがあります。それが、自社商材に焦点を当てたシェアドコンテンツマーケティングです。
ちょっと下のグラフをご覧ください。実に面白い現状が見えてきます。
上記のグラフ(イラスト)は、英国のCobloom社が世界のSaaS企業トップ250社(SalesforceやHubspotなど)を対象に行ったコンテンツマーケティングの実態調査のブログ(Bloom)記事「The State of SaaS Content Marketing 2017」の中で見つけた、ある調査結果に基づき独自に作ったものです。その調査は世界のSaaS企業が公開するブログについて調べたものですが、その中でもトップ10%(25社)のブログで見たところ、実に興味深いことが明らかになりました。
36%がビジネスブログのみを書いている
24%が商材ブログのみを書いている
40%がビジネブログと商材ブログの両方を書いてる
と、言う結果が出たのです。
つまり、SaaS業界のトップ10%のブログ(25社)では、実に62%が商材そのものもコンテンツにしています。これは、明らかに商材(製品やサービス)の情報を欲しているユーザーがいる、ということを裏付けています。
もちろん、同社の調査でも自然検索結果による流入は、ビジネスブログが商材ブログより14%上回る、という結果がでていますので、やはり、従来のコンテンツマーケティングではビジネスブログがより効果があることも分かります。
しかし、業界トップの64%が商材もコンテンツにしているという事実を無視するわけにはいきません。
■シェアドコンテンツマーケティングでネイティブ広告を展開して商材ブログの読者を獲得する
従来のコンテンツマーケティングは商材ブログには向きません。しかし、各社の製品やサービスのことを知りたいというニーズもあります。
そんなユーザーをも取り込もうとするコンテンツマーケティングが「シェアドコンテンツマーケティング」ということですが、その効果をより高めているのがネイティブ広告の形式になった商材のコンテンツです。
ただし、シェアドコンテンツマーケティングで展開するネイティブ広告は、よくあるネイティブ広告とも違います。例えば、Facebook広告のインフィード型広告ように、Facebookのフィード(タイムライン)の投稿の中に現れるものでも、検索エンジンでのPPCのように検索連動型でも、レコメンド型などでもありません。あえて分類するなネイティブ広告の5種類に分類できない6種類目のカスタム型になります。つまり、その他の分類です。
見た目はブログそのものです。サイトの構成もブログサイトです。そこに、各事業者が自社の商材をコンテンツにした記事をアップしていきます。つまり、ブログの体裁で流れるネイティブ広告です。
ちょっと不思議に思うかもしれませんが、読者も初めから広告やPRとわかって記事を目にし、記事を読みます。ビジネスブログのように「何か役立つノウハウを教えて」というものではないので、ストレートに製品やサービスなど、各社の商材に興味を持つ読者を集めます。もちろん、そこから各社のホームページやビジネスブログ(従来のコンテンツマーケティング)の動線を作れば、ゲートウェイサイトしての役割も担い、マーケティングをより効果的にします。
シェアドコンテンツマーケティングは従来のコンテンツマーケティングのようにストック型ですし、自社サイトではありませんが、自社アカウントを作成しブログコンテンツを配信するオウンドメディアです。しかし、一方でSNSのようなアーンドメディアでもあり、タイムリーな話題の配信にも有効なフロー型メディアの機能もあります。さらに、見た目もサイト構成もブログそのものというネイティブ広告でもあるのです。まさに、さまざまなメディアとマーケティングをミックスした融合型のコンテンツマーケティングです。アイデア次第ではさまざまな活用方法も考えられそうな、今後が大いに期待されるマーケティングのツールとなりそうです。
しかも、特に準備も必要とせず、コストを抑えて直ぐに始められる特徴があります。特に、資金などリソースが限られたスモールビジネスなどの事業者には利用価値が高いと言えます。
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