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執筆者の写真松本 啓嗣

Facebookに鳴らされる警鐘。Facebookは私たちの味方、それとも敵?


Facebookは世界最大のソーシャルメディアで、月間アクティブユーザー数(MAU)は実に20億人を超えます。インターネットにつながるデバイスさえあれば、私たちは誰でもいとも簡単にこの巨大メディアを活用し、自らがメディアとなって、インターネットがつながる世界のどこからでも、また世界のどこへでも情報を受発信できます。これをマーケティングに利用しない手はありません。しかし、一方でそんな巨大メディアのFacebookのあり方を良しとしない人たちもいます。今回は、その人たちの観点からFacebookを見てみます。


主な内容

  • Facebookが作り上げた深い闇

  • 2つの闇

  • Facebookと距離を置くものも現れ始めている

  • それでもFacebookは誰でもアクセスできる巨大なプラットフォーム

◇◇◇◇◇◇◇

■Facebookが作り上げた深い闇

コンピュータやインターネットの登場で私たちの世界は大きく変貌しました。情報へのアクセスはかつてない程、簡単になり、私たち自ら情報を発信するメディアにもなりました。また、生産性もまるで違う世界にいるかのように高まり、ますますグローバル化を促進し、経済もどんどん成長させています。私たちが、今、住むこの地球は、20年、30年前の地球と同じなのでしょうか?何だか、全く違う、まるで別な惑星に移り住んでしまったかのようです。

インターネットやテクノジーで何か新たな波が起こるたび、私たちの世界は大きく変貌していきます。そして、それは、Googleやアマゾン、Facebookなど、シリコンバレー企業の誕生で、より大きな波を作り上げています。

かつて彼らの起業に巨額の資金を投じて、成長を後押ししてきたシリコンバレーの投資家たちも、ここまでビックになったハイテク企業を決して手放しで喜んでいるわけではありません。むしろ、その成功とともに浮き彫りになった深い闇があると警鐘を鳴らしています。特にFacebookは民衆をコントローするという、新たな権力を手に入れてしまっと言っています。

Facebookが保有する個人情報は世界で莫大です。個人情報どこから、彼らが毎日どこで何をやっているのかも筒抜けです。また、そんな人たちを何かの目的で、何かの方向へと掻き立てることも可能です。一部の巨大資本や、一国の野望のために加担することも簡単にできてしまうプラットフォームを持っています。

民主主義の根底には私たち民衆がいます。Facebookはその民衆のためのプラットフォームですが、実はその民衆を操る道具にもなり得ます。一企業がそんなパワーを持ってしまったというのです。もはや民主主義のシンボルではなく、民主主義を脅かす最強の敵にもなり得る、そんな危険な道具を一企業が持っていることは、私たちにとって、実は脅威だと言っています。

おそらくザッカーバーグ氏もこうした世の中を予想して、Faceobookを創業したのではないでしょう。ただ成功を夢見て、成功に飢えていた一人の若い起業家に過ぎなかっとハズです。

 

■2つの闇

2つの闇は、世界でFacebookを利用する月間20億人以上のアクティブユーザーとそれを利用しようとする権力者に潜んでいます。

Facebookはボストンの郊外、ケンブリッジにあるハ―バード大学の一室で、ある日突然表れ、そして10年にも満たない短期間で、世界に広がる強大なソーシャルメディアというプラットフォームを築き上げました。その影響力は、実は私たちが想像する以上に大きいと言えます。Facebookを利用するものは、まるでカジノや麻薬中毒患者のように、ソーシャルメディアに依存します。Facebookは毎月世界で20億人を超える依存者を囲みこむ巨大なプラットフォームです。それが、Facebookが私たちの世界に作り上げた一つの闇です。私たちは、Facebookを活用していると思っていますが、実は、Facebookに操られている、そういう見方があります。

そんな巨大なプラットフォームを最も利用したい人間は、一体、誰でしょうか?

権力者です。それがFacebookが作り上げた2つめの闇です。Facebookは権力を監視するものではなく、権力に加担する巨大なプラットフォームになっている、一部ではそう言われています。

権力者とは誰でしょうか?

それは政治家であり、巨大資本家です。

Facebookのおかげで力を持たないひ弱な民衆が、権力に立ち向かう術や道具を手に入れた、そんな見方もあります。しかし、それは本当の権力を持たないものへの攻撃でしかありません。

Facebookで芸能人や著名人が叩かれても、企業が攻撃されても、そんなことは世界では小さな出来事だと言えます。Facebookが取り込む権力はもっと巨大ということです。政治や外交、ビジネスの強者どもが、無防備な弱者を巧みに操る道具になっていて、一部では、Facebookがあえてそうした権力に加担している、という批判もあります。真偽のほどは定かではありません。

 

■Facebookと距離を置くものも現れ始めている

実際にそんなFacebookを良しとせず、明らかな反旗を翻す者たちも現れています。

最近ではハリウッド俳優のジム・キャリー氏のFacebookに対するブーイングが有名です。ロシア疑惑をめぐるFacebookの対応に「No」を突き付けています。「Facebookの株を処分して、アカウントも削除する」と、Twitter上でつぶやいています。全米を中心に多くの人にリツイートされていますが、その影響はどこまで広がるのでしょうか?

また、直近では世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバ(英国、ロンドン)が、Facebookの広告掲載中止を検討しているとも報じられました。同社は毎年1兆円規模の広告宣伝費を投じていますが、「Facebookの在り方は企業イメージとも合致しない」、と広告からの撤退を示唆しています。

FacebookはGoogleと併せるとインターネットの広告シェアの6割以上を牛耳ていると言われています。如何に世界が彼らに依存し、また、彼らがその広告収入に大きく依存しているか、そんな構図が見て取れます。

Facebookにとって、月間アクティブユーザー(MAU)を増やし、一人でも多く、1分でも長く、Facebook上で滞在させるかが、生命線でもあります。それ自体に問題があるわけではありません。正当なビジネスのモデルです。しかし、その手段に問題があるといいます。

民衆を中毒化し、権力と繋がることは、民主主義のルールに反しています。

 

■それでもFacebookは誰でもアクセスできる巨大なプラットフォーム

巨大な情報プラットフォームを一企業が独占することは危険なこと、ということは、私たちの誰もが理解できています。特に自由経済の象徴であるアメリカは、そのことを最も理解しているはずです。しかし、その巨大プラットフォームの独占企業を作り上げたのもまた、アメリカの自由経済です。

自由と独占は相反する言葉のようにも思えますが、実はどちらも突き詰めていくと、同じところに行きつくのかもしれません。自由を求めて巨大になったものは、自由な独占できる力を得ることもできます。

情報プラットフォームを独占するものに対しては、もはや独禁法の適用だけではどうすることもできないのかもしれません。新たなフェーズに入っている、私たちはそんな世界で生きているとも言えます。

 

さて。ロシアと関連するFacebookへの疑惑は今も晴れていません。また、さまざまな社会的な副作用が生じていることも確かです。何が真実で、何が事の核心なのかも、今の私たちには、決して判断できるものではありません。また、そうしようとすること自体が、やや早計とも思えます。

今ある確実な一つの真実は、今日も、この瞬間にも、世界20人以上の月間アクセスユーザを抱える巨大メディアのFacebookにアクセスできるということです。そして、私たちの一人一人が自らメディアとなり、情報を発信することができます。この事実は、今も変わりありません。多くの個人が、そして、多くのビジネスが、今も、この瞬間も、Facebookで情報を発信しています。

Noということもできます。Yesということもできます。

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