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  • 執筆者の写真松本 啓嗣

激減する日本の中小企業。底力が問われる日本経済の行方。中小企業減少の理由を探る。


日本の経済を根底から支えてきた日本の中小企業。中でも製造業は日本経済の象徴でもありました。しかし、その製造業も1986年の87万人をピークに減少を続け、今では半分近くまで落ち込んでいます。経営者の高齢化が進み後継者問題など、中小製造業を取り巻く構造的な問題もある中、急速なIT化やグローバル化など、マーケティングの環境を大きく変貌してきたことも無関係とは言えません。


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主な内容

  • もう止められない日本の中小企業の激減

  • 新たな起業も生み出せない

  • 今、日本で目立つ新規創業は何?

  • 儲からないのなら、そもそも後継者も生まれない

  • どこに活路を見い出すか?

◇◇◇◇◇◇◇

■もう止められない日本の中小企業の激減

日本の町工場がどんどん減っている。そんなことは日本に住む誰もが知っていることです。せいぜい「ああ、大変なんだなぁ」って思うくらいでしょうか?

しかし、どうもそんなことも言っていられない、日本の経済への影響も見えてきます。

日本の経済を根底から支えてきたのは、間違いなく製造業を中心とする中小企業です。世界中の産業にモノ作りがある以上、部品加工から組み立てまで、どんなに高度IT化が進もうとも、製造業は不可欠です。その産業を支えてきた日本の製造業が激減することは、日本経済衰退を象徴しているとも言えます。

例えば、日本の糸染め業者や印刷製本関連の打ち抜き業者、30年前には全国で1000を超えていたが、今では80までに激減しています。ますます需要が低下がする中、儲けは出ず、こんな状況では後継者が表れるハズもありません。これは一つの象徴的な事例ですが、こんなことが日本の中小盛業の至るところで起きています。

 

■新たな起業も生み出せない

仮に製造業を中心とする日本の中小企業が激減しても、そのマイナスをオフセットする新たな産業がどんどん誕生すれば、経済全体としてはプラスに上向くこともあります。

しかし、日本の現状はそうではありません。

新しい産業が生まれません。

新たな創業や起業が、他の先進国と比べても極端に少ないのです。

国としても新たな創業を促進するため、さまざまな政策を打ち出してはいますが、どれも成果らしい成果を生み出すには至っていません。ベンチャーキャピタルの創成やインキュベーター施設の開設なども行い、後押しをしようとはしていますが、起業や創業は、そもそも人の夢や熱い想いに後押しされて生まれるもの。そんな気概も土壌も育成されない今の日本の状況なら、何をやっても全て絵に描いた餅。その役割を果たすことすらできません。

今の日本では、IT関係を含め起業家精神が育たず、創業意欲がますます低下しています。

まして、製造業はただでも大きな設備投資がかかるもの。そんなリスクを抱えてまでも創業する意欲に燃えたベンチャー精神など、誰でもそう簡単に持てるものでもありません。仮に、そんな熱い想いも持ったとしても、日本の金融機関がお金を貸すことはありません。「造っても儲からない」、それがお金を貸す側の論理です。儲けが見えないのなら貸すことなんてできません。実際、儲けることは至難の技とも言えます。

 

■今、日本で目立つ新規創業は何?

こんな中でも、増えている創業があります。飲食店と介護福祉施設です。

しかし、読者の方なら既にご存知かと思いますが、大抵の飲食業は開業後短期間で消えていきます。1年もつ店も少ない中、3年、5年、10年と続けていけるお店は殆どありません。新しく生まれては消えていくを繰り返しています。

また、少子高齢化が急速に進む日本の社会を背景に、新たな介護ビジネスが増えています。いわゆる介護福祉と呼ばれる産業です。しかし、これを事業と呼べるのかはいささか疑問も残ります。介護保険制度の下、ケアマネージャーや訪問看護の有資格者などを派遣するサービスがメインですが、儲けを出すのは相当難しいとも言えます。全ての要介護者が裕福なら、そもそも保険制度を利用するまでもなく、ハイクラスなケアを受けることができるのでしょうが、保険制度の中で行うビジネスが、簡単に儲かるはずがありません。ほぼ、ボランティア状態のサービスです。保険制度を悪用した、詐欺まがいの業者が現れるのも、そんな背景があるからでしょう。

 

■儲からないのなら、そもそも後継者も生まれない

もはや日本経済の衰退としか言いようのない状況が起きています。

政府や国が口にする、好調な企業業績の数字は、一部の大企業や優良企業に限られたもので、日本産業全体の実態を表すものではありません。

今、日本産業界全体で儲からない構造が出来上がっています。

日本の底力と言われた製造業の衰退は、儲からない日本の産業構造の仕組みにあります。

そもそも起業意欲に低い日本の国民性で、いくら二代目、三代目と言われても、儲からない事業を継承することはできません。仮に後継者として引き継ぐにしても、今までのやり方では儲からないわけですから、何か新しいことにもチャレンジする必要もあります。するとそこに新たな投資も必要になります。設備投資等の初期投資だけではなく、利益が出るまでの運転資金も調達しなければなりません。果たして金融機関が貸すでしょうか?

二代目三代目の後継者がいないのなら、家族のもの以外からという発想もありますが、経営者の信用で融資してきた金融機関が新たな経営者をすんなり受け入れることもありません。銀行の意に反して、新社長を迎えても、無理難題を押し付けられ早々に融資を引き上げれるのがオチです。

 

■どこに活路を見い出すか?

この状況を黙って見ているわけにはいきません。

というのも、これは事業を営む経営者だけの問題ではなく、給与所得で生活を営むサラリーマンにも大きな影響を与える事態だからです。

企業業績が良いと言われる大企業も優良企業も、このまま業績を上げていくためには、必ずどこかを、あるいは何かを犠牲にします。その犠牲は弱いところが払わされます。つまり、中小の弱小企業からその負担を負わされます。それは巡り巡って、必ず日本経済全体への支払いとなって私たちを直撃するからです。

こんな中、私たちはどこに活路を見い出せばいいのでしょうか?

特に経営者なら、常にこのことを問いかけ、その答えを見つけ出していく努力を止めることはできません。

私たちが国を動かし、変えていくとこは難しいことです。そんな無謀なことを考えるより、自分にできるところから答えを見い出し、トライし続けるしかありません。



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