従来のコンテンツマーケティングの課題は人材の確保です。そして、それはコストにも直結します。シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)は、資金や人材など、リソースが限られるスモールビジネスの事業者でも取り組むことができる新たなコンテンツマーケティングです。今回は、従来のコンテンツマーケティングとの比較を通して、SCMに必要な人材について見ていきます。
主な内容
コンテンツマーケティングの成功はマーケター次第
コンテンツマーケティングでますます重要視される人材
コンテンツマーケティングで求められる人材
十分な人材を確保できるのなら従来のコンテンツマーケティングに取り組むべき
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■コンテンツマーケティングの成功はマーケター次第
従来のコンテンツマーケティングは、誰も取り組める簡単なマーケティングではないということは、前回の記事でも、また、マーケの得ダネの他の記事でも、もうお分かりかと思います。それなりの人材を配置し、体制を整え、コストをかけて取り組む必要があります。
仮に外注するにしても、外注先とのコミュニケーションが不可欠ですので、それなりの知識やスキル、経験を積んだコンテンツマーケターがいないことには話になりません。お金をかけて外注するにしても、社内にもそれ相応の人材を張り付ける必要があります。コンテンツマーケティングはブランディング認知を確立するための取り組みでもあります。ある意味、会社のコア的な業務でもあります。全てを外に出すことはできません。
自社で全て賄うにしても、一部、または大部分を外注するにしても、コンテンツマーケティングの成功は、どんな人材を張り付けているか、まさに、マーケター次第といっても過言ではりません。
■コンテンツマーケティングでますます重要視される人材
日本でも、2012年ころからコンテンツマーケティングが、マーケティングの現場でも話題になり始めました。パンダアップ―デートやペンギンアップデートなど、Googleによるメジャーなアルゴリズムの更新と時を同じくしています。これまでの人為的、あるいはある意味、作為的なテクニックに頼ったSEOから、サイトの質、つまりサイトのコンテンツの質に重点を置いたSEOが注目され始めました。そのため、当初はマーケティングというより、SEO対策という意味合いが強かったようです。
しかし、当初からコンテンツマーケティングに注目していた事業者やマーケターによる地道な取り組みが成果を見せ始め、コンテンツマーケティングがマーケティング(一部ではSEO)として広く知られることにより、2014年頃から取り組む事業者も増え始めました。その後は既にご覧の通りで、今ではマーケティングのブームの様相も呈しています。
また、同時に、コンテンツマーケティングの成否も事業者ごとにはっきりと分かれるようになりました。誰でも簡単に成果を出せるマーケティングではありません。取り組み方ではっきりと成果に差が出ます。
„
こうなると注目されるのが、「人材」です。
”
そこで、従来のコンテンツマーケティングと新しいシェアド・コンテンツマーケティング(SCM)の比較を通して、求められる人材を見ていきます。
■コンテンツマーケティングで求められる人材
コンテンツマーケティングで求められる知識やスキル、経験にはどんなものがあるのでしょうか?
コンテンツマーケティング先進国であるアメリカの企業では、テクニカル(技術的)な知識やスキル、経験(テクニカル・スキル)とクリエイティブな知識やスキル、経験(クリエイティブ・スキル)の両面から人材を考えているようです。それぞれのスキルにおいて必要とされるものは以下の通りです。
テクニカル・スキル
SEO
HTML
CSS
ウェブ解析(Google Analytics)
プログラミング
クリエイティブ・スキル
webライティング
マーケティング戦略
コンテンツ戦略
ブランディング戦略
リーダーシップ
この両方を持ち合わせた人材が適任者ですが、そうでなければ、それぞれのスキルを有する人材の確保が必要です。
この点については、シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)ではどうでしょうか?
まず、テクニカル・スキルについては、特に必要としません。もちろんあればいいですが、なくても問題なく業務を行うことはできます。
クリエイティブ・スキルについてはどうでしょう?
できれば、webライティング、マーケティング、ブランディングのスキルは欲しいところです。コンテンツを作る上で大変役立ちます。しかし、これとて、必須にはなりません。コンテンツ戦略やリーダーシップは特になくても大丈夫です。
シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)では、これらのテクニカル・スキルやクリエイティブ・スキルが不要なのではなく、必須ではないということです。もちろん、あれば大いに役立ちます。しかし、これだけのスキルを確保できるのであれば、あえてシェアド・コンテンツマーケティング(SCM)をメインに取り組む必然性はなく、むしろ、従来のコンテンツマーケティングにしっかりと取り組むべきです。
その際は、コンテンツマーケティングのフロントドアとして、シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)を併用して行うという選択肢が有効でしょう。
■十分な人材を確保できるのなら従来のコンテンツマーケティングに取り組むべき
もし、ここで述べたスキルの人材を確保できるのであれば、従来のコンテンツマーケティングこそ、取り組むべき選択肢です。可及的速やかに準備し体制を整え、取り組むことが得策と言えます。
シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)が選択肢となるケースは2つです。
これらのスキルの人材を確保できない場合(外注であれ、自社運営であれ)
従来のコンテンツマーケティングのドアウェイ戦略として併用したい場合
従来のコンテンツマーケティングに取り組んではいけないということではありません。むしろ、スモールビジネスであっても、できることなら取り組むべきです。しかし、その場合でも、既存の業務運営に支障のない形で、且つ、継続できるよう無理なく小さく取り組み、自社のスキルや経験を積み上げ蓄えていくといいでしょう。決して経済的成果を直ぐに求めることはしない方がいいです。そこが当面の目的となると、ほぼ、間違いなく成果をあげることはありません。失敗に終わります。
一方、シェアド・コンテンツマーケティング(SCM)に取り組めば、長い時間が必要な従来のコンテンツマーケティングとは異なり、潜在ニーズを持った見込客をより直接的に集めることが期待できます。また、十分なスキルを持った人材の確保も必要ありません。
資金や人材などリソースに限りがあるスモールビジネスの事業者にも取り組みやすいマーケティングの施策と言えます。
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