‐ 誰でもコンテンツは作れる -
さて、前回の「 【コンテンツマーケティング】成果がでる、でないはこれで決まる! 『制覇その4:コンテンツマーケティングを設計する』 」はいかがでしたか?今回はシリーズ第5回目です。 今回は、いよいよコンテンツの作り方に入っていきます。コンテンツこそ、コンテンツマーケティングで最も重要で核心的な鍵となる要素です。読者が増えるかどうかはコンテンツ次第です。コンテンツの作り方を学んで、あなたの読者に役立つ価値あるコンテンツ作りに取り組んでください。その前に、まだ4回目を読んでいない方は、まずは、そちらお読み頂いてから、この記事をお読み頂くことをお勧めします。
第5回の内容
文章の上手い下手がコンテンツの価値を決めるのではない
ビジネスブログで始める
コンテンツのテーマを決める
顕在ニーズと潜在ニーズ、どちらにスポットを当てるか?
テーマの細分化
SEOとキーワード戦略を考える
キーワードはビックテーマと小テーマ毎に考える
自社コンテンツ制作 vs. コンテンツ作成代行
5回目からは、いよいよコンテンツそのものについて、お話していきます。コンテンツマーケティングを始めてみたいけど、「どうやってコンテンツを作るのかわからない」「そもそも良質なコンテンツなんて作れるのだろうか?」、そんな疑問や心配を持たれる事業者の方も多いようです。
5-1.文章の上手い下手がコンテンツの価値を決めるのではない
文章を書くのは苦手だから、自分ではコンテンツマーケティングはできない。そんなことを思う方も多いかと思います。確かに、文章を書くことが得意な方、苦にならない方は文章と言うコンテンツには比較的スムースに入り込めるでしょう。
もし、それだけで成功できるのであれば、コンテンツは記事代行業者やフリーのライターなど、「書くプロ」に任せてしまえば何も問題ない、そう思いませんか?しかし、実際はそんなに単純ではありません。
コンテンツマーケティングで最も重要な核心部分はコンテンツそのものです。誰かに任せればそれでいいというものでもありません。と、言うより、このコンテンツこそ、本来誰にも任せてはいけない最もコアな部分です。コンテンツマーケティングを行う当事者が、自社のコンテンツに真正面から真剣に向かい合い、読者に価値を与える良質なコンテンツ作りに取り組むことが大切で、何をおいても成功のカギとなります。
「でも、やっぱり書くのが苦手だから・・・」
そう、しり込みしてしまいそうになったら、以下のコンテンツの本質を思い出して下さい。
"そもそもコンテンツマーケティングでは、上手い文章が良質な価値あるコンテンツとは限らない"
伝えるべきは読者への価値です。文章の上手い下手ではありません。
確かに、文書の上手い下手で読み手の印象も左右されます。しかし、それも慣れと経験、そして訓練と習得です。すべて学べるものです。不慣れな人なら、最初は誰も戸惑い、時間もかかり、出来上がりも、それほど良くないかもしれません。でも、作家を目指すわけでも、プロのライターになるわけでもないですね。普通に日本語が書ければ、全く問題ありません。文章の上手い下手は慣れと経験、訓練と習得に任せ、それより・・・
これを知れば、これを実践すれば:
読者の生活は今よりずっと良くなる
読者の事業はもっと改善され、効率的になり、成果も上がり、収益も伸ばせる
読者の人生はもっと価値あるものになる
・・・そんな想いを込めて、そんな理想を実現するコンテンツの提供に神経を集中させ、
誰よりも、何よりも価値あるコンテンツを提供する
・・・そんな覚悟と誇りを持って取り組めば、かならず素晴らしい未来が待っています。
でも、あまり力んだり、意気込み過ぎたりせずに、余分な力は抜いて、リラックスした状態でスタートを切りましょう!
5-2.ビジネスブログで始める
コンテンツマーケティングと言えば、今では、ビジネスブログが代名詞とならるほど、代表的で中心的なメディアです。
ストック型メディアで、コンテンツを蓄積しながらメディアを構築できます。ブログ記事が追加更新される毎に、ウェブの1ページとしてサイトに蓄積されサイトのボリュームも増えてきます。一度公開された記事は、そのコンテンツ自体の情報価値が陳腐しない限り、永続的に機能し続けます。
そこでビジネスブログを中心において、貴社の情報のハブとして位置づけ、全体のコンテンツマーケティングを運用します。ホームページやランディングページ、SNS、検索エンジン、広告各種、セミナー、各種オファー、フロントエンドやバックエンド商材・・・など、様々な切り口からビジネスブログに集まり、あるいはそれらを回遊しながら、購買につながる仕組みを作ります。その核となるコンテンツがビジネスブログです。
■コンテンツを配信するプラットフォームを用意する
ビジネスブログを始めるにあたり必要なのが、記事を掲載するサイトです。つまりコンテンツを配信するプラットフォームがなければ、ブログを始めることはできません。一般的には事業者がビジネスブログを始める場合、専用のブログ(コンテンツ)サイトを立ち上げ、そこに記事を更新していきます。また、その際、ホームページ(コーポレートサイト)と連携させ、お互いをシームレスに行き来できるようにします。
■CMSを活用すると直ぐに始められる
ブログサイトはクラウド型のCMS( Contents Management System/コンテンツ管理システム)を利用すると、比較的、簡単に直ぐに始めることができます。
"CMS( Contents Management System/コンテンツ管理システム)は、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理でき、ウェブサイトの作成や編集、配信など、サイト公開に必要な処理を行うシステムのこと。"
CMSには無料のオープンソース型と、各社が製品として提供する有料のパッケージ型の2つのタイプがあります。
オープンソース型(無料)
WordPressが最も代表的なCMSの一つです。その他にも実に多彩なCMSがウェブ上で公開されています。柔軟性に優れ、さまざまカスタマイズができ、拡張性がありますが、一定レベルの知識がなければ、取扱いは難しくなります。知識がなければ、社内にエンジニアがいるか、社外の制作会社にサイト制作を委託できない場合は、利用はお勧めできません。
パッケージ型(有料)
既に体系化されたパッケージなっていて、誰でも直ぐに使えるCMSです。通常はドメイン登録やサーバーもセットになっていて、ビジネスソフト(ワード、エクセル、パワーポイントなど)が使える方であれば、直観的な操作で、直ぐに本格的なサイトが作れます。ビジネスソフトは不慣れでもキーボードが使えれば、ちょっと勉強すれば、個人差はあるものの、おそらく使いこなすことができます。各社、CMSの特徴、機能、拡張性、コスト、使い勝手や操作性が異なりますので、比較検討し、最もしっくりくるものを選ばれるといいかと思います。また、最近のCMSには、SEOが簡単に行えるものもあります。海外製や国内製など多岐にわたり、コストも月額数百円~数万円など、幅広い選択が可能です。パッケージ型でも、機能限定のお試し版やメーカーのロゴやブランドなど広告表示をすることで、完全無料で使えるものも多くありますので、まずは無料で試し、有料版へと移行するといいでしょう。
最近ではコンテンツマーケティングのノウハウやハウツーとCMSをパッケージにしたサービスもあります。コンテンツマーケティングを学びながら、コンテンツマーケティング向けに最適化されたCMSで実際にコンテンツを作り、コンテンツマーケティングに取り組むことができます。ノウハウの提供やコンサルティングなどのサポートが受けられますが、コストは割高です。当サイトやその他資料や書籍など、独学で行うことに不安な方にはお薦めかもしれません。
シェアド・コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングはオウンドメディアと思われるかもしれませんが、新たなメディアとして登場したのがシェアド・コンテンツマーケティングです。イメージ的にはSNSなど、アーンドメディアとコンテンツマーケティングを組み合わせたものに近いと言えます。
シェアド・コンテンツマーケティングについては、シリーズでお伝えしていますので、ぜひ、そちらの記事をお読みください。(リンクは第1日目のみです。ここからシリーズが続きます)
また、その他関連記事もありますので、ご参照ください。
コンテンツマーケティングを始めるには、どのような形であれ、まずは、コンテンツを配信するプラットフォームが必要です。貴社の目的や戦略、状況に応じて、最も適した、取り組みやすい方法でスタートされるといいでしょう。
5-3.コンテンツのテーマを決める
良質な価値あるコンテンツとは、それを必要とする読者にとり、一貫性のあるテーマにそって深堀された情報や発展性のある情報です。独自の取組みと実績、経験や学習、取材や調査、研究や分析、事例、専門家など意見などに基づき、深く掘り下げ、初心者の人でも誰でもわかり易く、具体的なイメージを描きながら読み進められる内容であり、さらにそこから、どういう展開や結果、成果や効果、どのような応用や活用があるのか、読者に何をもたらすのか、そのメッセージをしっかりと掴み取れることが望ましいです。テーマに一貫性がないと、深堀も発展性もなくなります。まずはテーマを決めましょう。
テーマを決めるにあたって念頭に置くべきことは次の3つです。
専門性
市場性
受け皿
専門性
そのコンテンツをテーマとしたとき、既に専門性や十分な知識や経験を持ち合わせていることが、コンテンツを作る上ではとても大切です。その分野でトップ、またはトップクラスであれば申し分ありません。ただし、必ずしもトップあるいはトップクラスである必要はありません。そのテーマをしっかりと掘り下げ、どこにも負けないコンテンツに仕上げる覚悟と自信があれば、取り組む価値はあります。また、専門的観点からはまだまだ程遠く、初心者に毛が生えた程度でも、トップやトップクラスが既に提供しているコンテンツとは、別の切り口や観点、発想や着目点があれば、コンテンツ自体が新しいものにも変わります。ビジネスでは専門性と実績を持っているものが圧倒的に有利ですが、たまに、ズブの素人でも、まったく新しい発想で参入することで、大きな成功を収め、その分野の地位を築くこともあります。その分野でトップやトップクラスの専門家ではなくても、そうなる覚悟と実行力、あるいは、まったく別の発想で新たな専門性を築くこともできます。簡単ではありませんが、可能です。
市場性
そのコンテンツをテーマにしとき、多くの対象を惹きつけられるか、話題や関心事になっているか、そこに大きな潜在ニーズがあるか、つまり、読者や顧客側から見た関心がどれほど高いかを考えます。話題性もなく関心が低いテーマでは読者を惹きつけるのは難しくなります。また、今は顕在化しているニーズではないとしても、そのコンテンツを読むことによって潜在的なニーズを多くの読者が感じられるものであれば、テーマとして相応しいでしょう。コンテンツマーケティングは読者の潜在ニーズを喚起させることが狙いであり、それをリードとして案件化させるマーケティングです。
受け皿
受け皿と言う言葉にはちょっとピンとこない方も多いのではないでしょうか?しかし、これはとても重要なポイントです。自社の商材の販売で一定の成果を既にあげている事業者なら、特に問題はないとは思いますが、たまにコンテンツのテーマと自社商材を明確に関連付けられていないことがあります。コンテンツに感銘していただき、会社にも興味を持ってもらい、問い合わせをもらうまではいいのですが、それが自社の商材と一体化する、あるいは明確に関連する要素に欠けているため、商材がお客様の疑問や不明点、課題や問題を受け止める受け皿にならないのです。結果的にコンテンツは良くてもビジネスにはつながりません。また、一体化する商材があっても、ホームページやその他追加情報がしっかり整備されていない場合や、問い合わせにに的確に対応できないなど、インフラや人材的な不備も受け皿を持てない要因となります。コンテンツのテーマを考えるときは、自社の商材はしっかりとその受け皿となるか、さらには、インフラやシステム、体制や人材も整っているか、十二分に吟味して下さい。もし、不十分ならテーマを変えるか、受け皿をしっかりと整えてから、テーマに取り組む必要があります。
5-4.顕在ニーズと潜在ニーズ、どちらにスポットを当てるか?
ニーズには既に顕在化しているものと、まだ潜在的なものがあります。また、マーケティングのリードにはSQL(Sales Qualified Lead/営業主導の案件)とMQL(マーケティング主導の案件)と呼ばれるものがあります。この違いを理解しないと、コンテンツマーケティングには向かないテーマを選ぶ過ちを起こしてしまうことにもなりかねません。コンテンツマーケティングを始めるにあたっては、対象読者のニーズについて把握することが必要です。この点に不安がある方は、関連記事の「 マーケの基本中の基本 - 成約率を格段に上げるマーケティング MQL、ADM、ADRって何? 」も、ぜひ、お読みください。
では、これらの前置きを踏まえて、ここで質問です。
コンテンツマーケティングにおいて、スポットを当てるべきテーマは、顕在ニーズでしょうか?それとも潜在ニーズでしょうか?
答えは簡単ですね。そうです。潜在ニーズです。
そもそも、コンテンツマーケティングでは、顕在ニーズにスポットを当てたテーマ―を作ることは不可能です。例えば、お客様がいて、既に何か顕在化しているニーズがあるのなら、それは案件です。営業的な言いかたをすれば「引き合い」です。他に競合がいないのであれば、お客様が求めるニーズを満たす提案さえすれば、成約になるような案件です。そんなニーズを満たすためにコンテンツを書くのは不可能です。そもそも、顕在化したニーズはお客様ごとの状況や目的、具体的な要件に基づくものです。「今、これを満たす提案を下さい」と言っているのですから。。。
しかし、多くの方は、どんなニーズが顕在化しているかを必死に考えるので、袋小路に入り込んでしまいます。顕在化したニーズは案件です。「今すぐ客」であり、それぞれの要求を満たす具体的な提案しか解決策はありません。
そもそも世の中に一般的に顕在化しているニーズには、既に全て回答があります。例えば「遠くの人と話したい」という顕在化したニーズなら、電話や携帯、インターネットによる通信などが回答です。既に回答があります。
コンテンツマーケティングは「今すぐ客」は対象ではありません。まだ、ニーズが明確に顕在化していない対象に向けて行うマーケティングです。
例えば
ニーズは感じているが明確に顕在化していない「お悩み客」・・・
興味や関心はあるがまだそこまでニーズを感じていない「そのうち客」・・・
まだニーズが潜在化したままで必要性を感じていない「まだまだ客」・・・
先ほどの例で言えば、デバイスを持ち歩いたりしないで、どこからでも遠くの相手と連絡できる方法があればもっと便利なるだろうな・・・と思ったら、これはまだ潜在化しているニーズです。
これらの客層に対して、マーケティングのアプローチを行うことで案件(リード)を創出します。 ですから、どんなニーズをと考えるより、「何をどうしたら、お客様が今抱えている課題や問題を解決できるだろう?」「何をどうしたら、お客様は不安や心配事から解消されるだろう?」「何をどうしたら、お客様はもっと良くなるだろう?」「何をどうすえば毎日がもっと楽しくなるだろう」など、読者が抱える現状の課題や問題の解決方法、不安や心配事、不満の解消方法、楽しさ、快適さ、ハッピーを実現する方法をコンテンツにしようと考えると、読者の潜在化しているニーズにスポットを当てることができ、コンテンツマーケティングに相応しいテーマを見つけることできます。
5-5.テーマの細分化
テーマを決めるときは、「専門性」「市場性」「受け皿」を十二分に吟味し、体制を整え、そして、潜在するニーズにスポットを当てることがポイントとお話しました。
ここで言うテーマとはコンテンツを構成する上での大きなアイデア・・・カテゴリです。例えば、IT業界のようなものです。IT業界は、システム開発、ソフトメーカー、ハードメーカー、インフラ、ウェブ開発、ウェブデザイン、ITサービス提供、ホスティング、SNS・・・等などさらにこまかな業種に分けられます。また、それぞれの業種は、その内容から、様々な分類もできます。まず、テーマとして決めるのは、コンテンツを構成する上で一番大きな枠組みの「ビックテーマ」です。例えば、「歯科医療に関するブログ」「旅行に関するブログ」「投資に関するブログ」「料理に関するブログ」「グルメに関するブログ」、あるいはビジネスブログであれば、「インターネットマーケティングに関するブログ」「営業に関するブログ」「集客に関するブログ」・・・等々です。何を大枠のビックテーマとして捉えるかは、それぞれの考え方です。まずは、これからコンテンツ配信しようとしている分野について、大枠となる大きなテーマ(ビックテーマ)を決めます。
なぜ、まずはビックテーマを決めるかと言うと、一つのテーマで際限なく一貫性のあるコンテンツを作成し続けられるのであればいいのですが、あまり絞り込まれたテーマだと、多くの場合、途中でネタ切れします。また、読者側の関心も薄れ始めます。そんな時は、まずは大きな一つのテーマを設定し、その下に入る別なより小さなテーマを考えることも必要になるからです。この小さなテーマを「スモールテーマ」と言います。こうしていくと、いくつか記事を書き進める過程で、さらに関連する小テーマに話を広げていくことも可能です。また、スモールテーマとスモールテーマを関連付けながら、コンテンツに深みや別の視点を持たせることもできます。
ビックテーマ = 大きな枠組みのテーマ
スモールテーマ = ビックテーマの下、細分化されたテーマ
コンテンツはスモールテーマに沿って書かれるそれぞれの記事です。
ただしコツがあります。ビックテーマを決めたら、まずは、最初に書きたいスモールテーマ(及び、もし他に書きたいスモールテーマが既にあるのならそれを含んだテーマ)を決めます。このときは、まだ、サイト上ではスモールテーマを明記しないことです。同じスモールテーマで十分な記事数をアップし、一貫性が保てるコンテンツの集合ができ、ある程度ボリュームが溜まった時点で、テーマを定義するカテゴリを作り、記事をのそのカテゴリの中にまとめます。
なぜ、このようなことをするかと言うと、先にスモールテーマのカテゴリを決めてしまうと、記事を書いているうちに、既に決めたカテゴリ自体がしっくりこない場合が出てきます。そうなると記事を書き続けるのが難しくなったり、後でつじつま合わせをしたりと、一つのカテゴリに何となく一貫性のない、ちぐはぐなコンテンツがアップされることが起こり兼ねないからです。溜まったコンテンツを見返しながら改めてカテゴリを決めると、このような問題も軽減されます。また、どうしてもカテゴリにしっくりこない記事は、あえてカテゴリに含めず外して置き、後からカテゴリを増やしていく過程で、カテゴリ分けすることができます。
5-6.SEOとキーワード戦略を考える
コンテンツマーケティングと言うと、多くの人は「SEO対策」または「キーワード戦略」と考えるようです。これは間違いです!
確かにコンテンツを作る上で予めキーワードを想定することも必要です。どのキーワードを攻略したいかが初めから想定できていると、コンテンツもそのキーワードを意識してつくることができ、自然な形でキーワードを含んだコンテンツに仕上げることができます。ただし、文章的に不自然な形でキーワードを無理やり入れるとか、乱用することは、SEOにもマイナスになるばかりではなく、読者の印象も悪くなります。その意味では、コンテンツ作成の段階でSEOを意識したキーワード戦略を考えることは重要です。しかし、あまり神経質にならないことです。
コンテンツマーケティングの第一義・・・最も大切なことは、「良質で価値あるコンテンツ」を作り発信し続けることです。何をおいても、まずはこのことを念頭において下さい。繰り返しになりますが、コンテンツマーケティングの目的は3つです。
「価値あるコンテンツを作る」
「顧客を育てる」
「ファン化する」
これは手段ではなく、目的です。(※ 詳しくは、 「【コンテンツマーケティング】成果がでる、でないはこれで決まる!『制覇その2:なぜ、コンテンツマーケティングなのか?』 」をお読みください)。SEOやそのためのキーワード戦略は、この3つの目的をより効果的、効率的に行うための手段でしかありません。
コンテンツマーケティングの歴史は古く、ネット時代が到来するずっと以前から、既ににアメリカで開発されたマーケティング手法の一つです。コンテンツマーケティングがマーケティング用語として広く知られ定着し始めたのもアメリカで、インターネットが既に世界中に普及した2000年~2001年頃と言われています。しかし、今日のコンテンツマーケティングの形が確立され世界中に広まったのは、やはり、2011年英語圏から始まったGoogleの「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」に端を発しています。ロングテールSEOが、それまで以上に注目されたのも同じ時期と言われています。
そのためか、日本では特に、コンテンツマーケティング = SEO(= キーワード戦略)と捉えられがちな傾向があります。コンテンツマーケティングがインターネット時代のずっと前から存在している事実からも明らかな通り、コンテンツマーケティング = SEO(= キーワード戦略)ではありません。日本では、コンテンツマーケティングが何やら難しい概念や理論のように思われがちなのは、SEOの技術を駆使したインターネットマーケティングと捉えられてしまうところにあります。そのため、「上位表示されない」 = 「失敗」と言う結論を出す事業者も多く、途中で尻つぼみ、あるいは断念する事業者が増えます。
"コンテンツマーケティングで目指すことが、コンテンツ向上か検索エンジン上位表示(SEO)かの二者択一としたら、その選択はコンテンツ向上でしかありません。"
まずは、この認識をしっかり持った上で、SEOを考える必要があります。
"コンテンツマーケティングをより効果的に効率的に行い、集客を増やし、収益につなげるためにはSEOが大切です。また、そのためのキーワード戦略は有効です。"
検索エンジンで上位表示させ、検索エンジンからのコンテンツへの流入を増やすことは、検索順位の1位表示と10位表示に約13倍のクリック率(CTR)の差があるのを見ても明らかです。また、コンテンツマーケティングの基本は、読者にとり良質な価値あるコンテンツを発信し続けることにあり、Googleの ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)の考え方とも一致します。つまり、コンテンツマーケティングそのものがホワイトハットSEO(ポジティブSEO)でもあり、そもそも両者の相性はとてもいいと言えます。
"キーワード戦略はコンテンツマーケティングにおけるSEOをさらに効果的にするテクニックです。"
SEOのためのコンテンツマーケティングではなく、コンテンツマーケティングの成果をより効果的、効率的にするために行う手段の一つがキーワード戦略(= SEO)です。
5-7.キーワードはビックテーマとスモールテーマ毎に考える
このシリーズでは、具体的なキーワードの選定方法には触れず、概念的な手法のみに留めて起きたいと思います。と、言うのも、キーワード戦略を突き詰めてしまうと、そちらが主となり目的化してしまうため、うまくいかない場合に失敗と捉えられ、コンテンツマーケティング自体を途中で断念してしまう方が多いからです。機会があれば別なタイミングで紹介します。
そこで、ここではキーワード戦略の概念をお話いたします。この概念だけでもしっかりと掴んで実践すれば、コンテンツマーケティングで失敗することはまずありません。
カテゴリーの階層を組み立てる
「5-5.テーマの細分化」でもお話しましたが、テーマには大きなテーマ(ビックテーマ)と小テーマ(スモールテーマ)があります。
例えば、ウェブサイトからのエントリーフォームやメルマガ、メールDMにも活用できるステップメールのメーリングシステムを販売する事業者が、商材となるメーリングシステムをコンテンツマーケティングで効果的、効率的、そして安定的に販売しようとする場合の例を考えてみます。
ビックテーマ = メールマーケティング
→ サイトタイトル: メールマーケティングで売り上げ
10億円を突破した当社のノウハウを
全て公開します!
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スモールテーマ① = ステップメール
→ カテゴリ名 : ステップメールを活用した
リードナーチャリングの自動化
スモールテーマ② = メルマガ
→ カテゴリ名 : 読者10万人を集めた当社の
メルマガ必勝術!
スモールテーマ③ = メールDM
→ カテゴリ名 : 開封率70%。捨てられるメールDMには
理由がある!
⇩
① ブログサイトを明示的にするビッグテーマを決め、サイトのタイトルを設定します。
(サイトタイトルはサイト構成上のサイト名ではありません)
➡ テーマに沿ったビックキーワード(またはミドルキーワード)を選定します。
※ ただし、この時点ではこのワードで上位表示を目指すものではありません。
【例】メールマーケティング
② ビックテーマの下に書きたいコンテンツ毎にスモールテーマを決め、それぞれのテーマに沿った記事をスモ
ールテーマ毎に書き更新します。
➡ コンテンツを通して攻略したいキーワード(スモールキーワード/複合ワード/ミ
ドルキーワード)を選定します。確実に攻略できると思われるワードを見つけ、そ
れに沿ったコンテンツ(記事)を書いていきます。また①のキーワードも意識して
記事を書きます。
【例】ステップメール + 方法、ステップメール + 集客 ・・・等々
③ スモールテーマの記事が十分蓄積された時点で、カテゴリタイトルを設定し、記事をカテゴリ分けします。
それぞれのコンテンツは攻略キーワードを意識して、記事を書いていきます。
さて、多くの場合、コンテンツマーケティングを始めるにあたっては、専用のブログサイトを新たに作成し、記事を更新していくことになると思います。この時、ホームページ(コーポレートサイト等)と連携させ、ホームページとビジネスブログサイトの間を行き来し、回遊できるようにします。
大きくは3つの方法があります。
■ホームページとブログサイトをそれぞれ独立したサイトとして構築する
それぞれ別のドメインサイトになります。両者はリンクで連携しますが、お互いは被リンクの関係になります。ブログ記事が読まれることでホームページが直接評価されることはありません。ただし、ブログが成長しドメインパワーがつくことにより、優良な被リンクサイトとしとホームページの評価につながります。SEOはそれぞれ別々に行う必要があります。(下図参照)
■ホームページのサブドメインとしてブログサイトを立ち上げる
別々に作成したブログサイトをホームページのサブドメインとして設定します。この場合、ホームページとブログサイトの関係は被リンクではなく、あくまでも内部リンクの関係になります。ただし、通常の内部リンクとは若干異なり、コンテンツページのアクセスが直接ホームページ(ルートドメイン)の評価にはならず、一旦、ブログサイトのランキング評価を経て、間接的にルードドメインへと渡されます。そのため、各コンテンツページの強化が必要です。SEOはそれぞれのサイトで行います(下図参照)
■ホームページのサイトの一部としてプラグインアプリなどを利用して立ち上げる
ホームページを既にCMSで構築している場合、CMSによっては、オプションなどのプラグインアプリで簡単にブログサイトを追加することができます。イメージ的には、サブドメインの図と同じです。ホームページとブログサイトのSEOの関係は、CMSサービスやアプリの連携の仕方により異なると思われますので、それぞれ確認が必要ですが、ブログサイトのコンテンツ毎にサイトを強化し、SEOを行う必要があるとと思われます。また、そうできるCMSが、コンテンツマーケティングを行う上では望ましいでしょう。
5-8.自社コンテンツ制作 vs. コンテンツ作成代行
コンテンツマーケティングは地道な長い道のりです。事業者によっては、専任の担当を配置することが難しいこともあります。その結果、業務が中途半端になってしまい、なかなか望み通りの成果がでないこともあります。
そんな時、検討のされるのが記事作成代行の業者やフリーランサーへの委託によるコンテンツ制作の代行です。
自社コンテンツか代行か、どちらかが良いかは、事業者の状況にもより、総合的な判断が必要ですので、一概には言えません。ただし、自社の商材についてどこよりも詳しいのは、紛れもなくその当事者です。これまで蓄積してきた様々な経験や実績、知識やノウハウががあるはずです。また、事業者当事者としての思い入れやプライドもあるでしょう。その観点からのみ言えば、コンテンツは自社制作すべきと言えます。
しかし、事業者の状況により、自社制作が難しい場合は、コンテンツ代行を第三者に委託する方法もあり得ります。例えば、代行業者の場合、企画から戦略、記事代行まで全て丸投げできるものもあります。いずれにせよ、何をどこまでやれるか、全体のコンセプトや戦略をしっかりと共有できるか、一つのスモールテーマについては同じライターに一貫して記事を書いてもらえるか、納期や品質、連絡や返答などコミュケーションのスムースさ等など、コストのみならず、気になる点はたくさんあります。特に、フリーランサーに発注する場合は、連絡がつながりにくくなったり、管理も大変です。よく話し合い、疑問や不安を出来得る限りクリアにした上で、お互い納得して行うことがベストです。道義的な責任、ビジネス的責任、法的な責任などの議論はあるにしても、結局のところ、どんなことになっても、お客様に対して最終的な責任を負うのは、コンテンツマーケティングを行う事業者です。
コンテンツマーケティングの一部や大部分をアウトソースして、成功している企業も多くありますので、事業者の状況や戦略、考え方などによっては、代行が最善の方法にもなり、費用対効果に優れた大きな成果を出せる可能性は十分にあります。事前にしっかりと話し合い、お互いの役割分担や責任の所在を明らかにし、計画的に行うことで、成功のチャンスを高めることも可能です。
シリーズ第5回目はここまです。いかがでしょうか。貴社にも優れてコンテンツを作成できると思いませんか?経験が乏しければ、最初は誰でも不慣れで、時間もかかり、出来栄えもそんなに褒められるものでもないかもしれません。ただ、多くの事業者がそこからスタートしていますので、そんなに深刻な問題ではありません。良いコンテンツを発信し続けれれば、素晴らしい未来も開けます。
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