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執筆者の写真松本 啓嗣

AIは起業をしやすくするの?夢 vs. AI。人工知能の進化はヒト・モノ・カネのない起業にどんな影響があるか?


将棋や囲碁の世界では、AIが名人を次々と倒しています。人との対戦より、AI相手に練習をする名人も増えています。計算式とデータがあれば、誰よりも早く答えを導くコンピューターも、複雑でクリエイティビティが要求される将棋や囲碁の対戦では、大きな頭脳を持つ人間には絶対勝てない「はず」だったのに、もはや最高峰の名人すらAIに勝てなくなっています。そんなAIが、既にビジネスにも参入しています。AIの進化は、ヒト・モノ・カネを持たないものたちの起業を変えてしまうのでしょうか?持たざるものはますます不利になるのでしょうか?今回は、そのことについて考えてみました。

主な内容

  • AIを持たない起業家は取り残される?

  • トレードオフを狙え

  • AI到来はむしろチャンス

◇◇◇◇◇◇◇

■AIを持たない起業家は取り残される?

子供の頃、マンガやテレビで見ていたドラえもんの世界、もう少し上の年代の方たちなら鉄腕アトムの世界が、いよいよ現実のものとなるのでしょうか?今、巷では至るところで、AIの二文字が踊っています。

AIは私たちの生活を、より便利に、より快適に、より楽しくすると言われています。しかし、一方で、今後も成長をし続けるAIが、いつか人間の知能を追い越し人類に牙をむく、SFでしか見なかった恐怖の世界が現実になる、という「AI脅威論」も広まっています。いわゆる「シンギュラリティ」(技術的特異点)をベースとして語られる議論です。本当にそんなことが起きるのでしょうか?

日本の多くのAIの学者たちは、シンギュラリティは起こらないと断言しています。しかし、その答えはまだ誰にもわかりません。それぞれが主張する「説」があるだけです。

ただ、正直、今はそんなことはどうでもいいことで、マーケの得ダネが気になるところは、現実に存在し、日々進化を続けるAIの技術が、ヒト・モノ・カネを持たないものたちの起業にどんな影響を与えるかです。

今、AIは、ビジネスの世界でも大きな注目を浴びています。AIを制するものが、次の時代のビジネスをも制する、そんなことまで囁かれています。そして、ヒト・モノ・カネを持つものは、AIを作る側、活用する側として、経営資源(リソース)にAIを組み込むことができます。日々の業務はもちろん、マーケティングや営業、様々な分析や調査、そして、お客に提供する商品やサービスでさえ、AIをベースにすることができます。AIがビジネスのインフラに組み込まれ、またAIそのものが商品やサービスになっていきます。

今後、AI技術を経営資源に組み込めるものと、組み込めないものの格差がますます広がるということは、おそらく誰でも容易に想像できるでしょう。解決策は簡単で、AIを組み込むだけです。しかし、現実問題として、様々な事情、特に資金面から、それができない起業家も多くいるハズです。

ヒト・モノ・カネのリソースに限られ、AIを活用することができない起業家には受難の時代になるのでしょうか?そもそも、そんな人は起業するな、ということなのでしょうか?

 

■トレードオフを狙え

AIを研究し開発する多くの科学者や技術者は、AIが人間の全ての仕事を奪うことも、シンギュラリティも起こらないと言っています。ただし、今、人がやっている仕事の多くがAIに代替される社会は、もうすぐそこまで来ている、とも言っています。これまで人が行っていた仕事を、AIが替わって行う時代がもう始まっています。

ただ、それはAIの知能が優れていて、人間の知能が劣っているからではなく、ただ単に人が効率性や合理性を求めるからだと言えます。計算能力や分析・解析のデータ処理能力に優れたコンピューターにAIを搭載することで、経済効率性が高まると判断する場合には、ビジネスは積極的にそれを活用します。

しかし、そこには必ず何らかのトレードオフが生じます。特にAI導入期や移行期には、そのトレードオフに抵抗やストレスを感じる人たちが多く存在します。

ここで言うトレードオフとは、AIを導入することによる「副作用」や「犠牲になるものや人」です。例えば、AIが人の仕事を奪うのであれば、雇用を失う人たちがトレードオフとも言えます。また、接客に人と人との関わりや温か味を求める人たちは、タッチパネルやロボットではなんとなく、物足りなさや不満を覚えるかもしれません。何か苦情を伝えたい時や聞いたもらいたい時に、AIの自動回答しかなかったとしたら、あなたの怒りや不満は収まりますか?

さらにはAIに取り残されたものたちが社会問題化することも考えられます。ネットなどで誰かを攻撃する、フェイクニュースアが増える、失業が増える、犯罪が増える・・・などの副作用があるかもしれません。もう少しプラスの見方をすると、AIで取り残された人たち、あるいは何となく疎外感や物足りなさなどを覚える人たちが、人と人との交流をさらに求め、深めたいと思うかもしれません。これも副作用と言えます。

このようにAIの導入期や移行期には、仕事の現場、サービスを受けるお客たちなどに、どこかで何らかのトレードオフが生じ、不満に感じたり、解決を求める人たちが必ずでてきます。長い時間の経過で、それらのトレードオフは解消されるかもしれませんが、少なくとも導入期や移行期、そして、時間の経過があっても、またそこにはAIで対応できない何かの不満、問題、課題が生じるとも考えられます。

つまり、AIのトレードオフが生じる以上、そこには必ずビジネスチャンスが存在します。なぜなら、不満や問題、課題があれば、必ずその解消策や解決策を求める人がいるからです。また、AIでは発掘できないビジネスのネタや案件もまだまだ多くあります。ひょっとすると、今は敬遠され、なくなりつつある訪問販売も、この先、人と人とのつながりを感じさせる新鮮で画期的な営業にならないとも限りません。もちろん、その時代に合ったやり方に変える必要はありますが・・・。

 

■AI到来はむしろチャンス

AIは、インフラにおいても、商材においても、今後、ビジネスの主流になるでしょう。ビジネスでは、時流を「創る」か時流に乗るかが、大きく成功できるかどうかにも影響します。時流を創るのは簡単ではありませんが、AIの時流は既に大きなビジネスにより創られています。後はAIの時流に乗れるかどうかです。

しかし、もしAIの時流に乗ることができないのであれば、導入期、移行期の今であれば、あえて時流を外して、AIのトレードオフを狙うのも手です。導入期と移行期なら、様々な副作用や犠牲となったものや人が多く存在します。みんなの注目がAIばかりに向けられる中、そこにブルーオーシャンが現れるかもしれません。

AI到来はむしろチャンスではないでしょうか!

もちろん、いつまでも時流を外れることは得策ではありません。AIをしっかりと押さえつつ、その時流に乗るための準備も必要です。



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