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  • 執筆者の写真松本 啓嗣

シリーズ、こんな社長は確実に会社を潰す!第4弾。何でもやっちゃう社長と何にもやらない社長。


社長にも色々います。何でも知っていて、馬力もあって、グイグイ引っ張っていく社長もいれば、2つ、3つ指示だけして、後はほとんど何もしない社長もいます。一人で何でもやってしまう社長は、一見、頼もしく、会社も順調に見えますが、実は危険信号です。そのまま続けると間違いなく会社を潰します。一方、ちょこっと指示しただけで、後は任せっきりの社長も困りものです。従業員にとっては楽な社長でも、会社の行く末は危ぶまれます。

主な内容

  • 何でもやってしまう社長はうっとおしい

  • 仕事しない社長は見くびられる

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■何でもやってしまう社長はうっとおしい

例えば、社長一人の会社は、考えるのも、決めるのも、実際に動くのも、全て社長がやります。社長一人で会社の全ての担当を担う必要があります。経営、企画、商品開発、製造・制作、マーケティング、ブランディング、ウェブ制作、広告、営業、プリセールス、カスタマーサポート、事務、経理、商品発注、契約書、各種書類や資料作成、社長業・・・等など、一人で何十人もの役割を果たすことになります。実際には無理です。できるはずがありません。

しかし、実際、そんな社長も多くいます。全てをやれる、やれないではなく、必要なことは、とりあえず全部やらなければいけいないということです。

会社が小さなときは致し方なくやっていたのでしょうが、何人か増えたあとも、「自分が仕切らなければ」とばかりに、あれもこれも絡んでやろうとする社長もいます。最初のうちは、そんな社長の下、会社が一丸となり、勢いも雰囲気もとてもいいのですが、いつまでもこれを続けるには無理があります。こんな状態が続くと、その先に起こり得ることは・・・

  • だんだん社長の不満が溜まる

最初は社長も自分が会社を引っ張らなければと思っているでしょうし、また、ひょっとすると、そんな自分の姿に「悦」に浸っているのかもしれません。また、社員もそんな社長を頼もしく思い、カッコいいと感じたり、憧れのような感情を持っているのかもしれません。しかし、何から何までに自分が直接音頭を取り、動いていると、当然ながら負担も大きくなります。すると、「何で思ったように動いてくれないのか」、「自分で考えてやらないのか」、「なぜ、わからないのか」と、次第に不満や苛立ちが募ります。語気が荒くなったり、社員へのあたりも強くなります。何でも自分が仕切ろうとせず、任せればいいのですが、このような社長の多くは、仕事を任せることが苦手です。どこかで社員を信頼していないのかもしれません。ひょっとすると、責任が取れない社長かもしれません。信頼して任せるということは、最後は自分が責任をとるという覚悟の証でもあります

  • だんだん社員の不満が溜まる

社長の不満やイライラは社員にも伝わります。また、自分たちは評価されていない、信頼されていない、という思いを持つようにもなります。自ら考え、動いてやったことが、いつも社長に否定されたり、一からやり直したり、ダメ出しされるばかりでは、その関係性次第では、かなりの不満を社員に抱かせます。どうせダメなら、指示を待った方がいい、という思いにもなります。社員にも次第にフラストレーションが溜まります。場合によっては、あからさまに仕事の質が落ちる社員も出てきます。

  • だんだん社長と社員に溝ができ深まっていく

こうなってくると、次第に社長と社員の間に溝ができ、その溝がさらに深まっていきます。社長も、社員の変化や不満をなんとなく感じながらも、「自分が引っ張らないと」という思いが強く、少々強引でも、押し切ろうとします。と言うより、そうするしか他に術を見い出すことができないのかもしれません。社員も、社長との間に感じる溝がさらに深まり、不満もどんどん増幅します。しかし、社長には従います。このとき、多くの社長は、「きっといつか社員にもわかってもらえる」、という期待や甘さもあります。一方、しぶしぶながらも言うことを聞く社員の不満は、より一層高まります。溝はどんどん深まっていいます。

  • 会社を辞めていく人がでてくる

こうなると、ある日突然、会社を辞めると言い出す社員が出てくることも起こり得ます。それに同調するものも出ることもあります。もっと悪い状況は、仲間を率いてまとまって辞めていくケースです。また、そんな事態を避けようと、社長が気を利かせ、社員の声を聞こうと、みんなや数名を集めても、溝が深まった状況では、ちょっとしたきっかけで、さらにお互いの溝を深めてしまうことにもなりかねません。結局、険悪な空気の中、有能な社員が会社を去っていく、ということが起きてしまうかもしれません。

あくまでも想定シナリオですが、実はこのようなことはよくあります。社長が会社を引っ張るのは当然ですが、何から何まで直接関わるのは考えものです。社員を信頼し、上手に仕事を任せることも必要です。上司と部下の関係にも似たようなことはよく起こります。

 

■仕事しない社長は見くびられる

逆に何もしない(?)社長もいます。

創業社長にはあまりいませんが、二代目、三代目等の跡継ぎ社長や、雇われ社長に時々見受けるタイプです。一見、社員を信頼して、仕事を任せているようですが、果たして、本当にそうでしょうか?

もし、信頼して仕事を任せているのではあれば、おそらく結果にも責任をとる覚悟がある、ということでしょう。しかし、どうもそういう覚悟がある、ということでもなさそうです。むしろ、その逆で、責任を取れない、取りたくないから、指示しない、指示できない、ということのようです。さらに言えば、そんな社長が社員を取りまとめて動かすことなど、到底無理で、リーダーシップをとる能力もない社長、とも言えます。リーダーシップがない社長では、会社の行く先は風任せです。社長が描く絵がない、ということです。

雇われた社長なら、最悪の事態になる前に、おそらく社長を辞める(辞めさせられる)ことになるので、会社を潰すという可能性は少ないとも言えます。しかし、その間、会社の士気はかなり落ちてしまいます。社員もそんな社長をどこかで見くびっています。周りのスタッフによっては、会社の業績だけでなく、信頼をも落とすことにもなりかねません。仮に、その後、新しいリーダーの下、業績を回復できたとしても、その間の損失は多大です。

にわかに信じがたいことではありますが、自ら立ち上げ創業した社長でない場合には、こんなケースも実際にあることです。仕事をしない社長・・・、つまり、社長の職責を果たさずそのポジションに居座ろうとする者が、トップの座にいる、ということです。

もし、これが創業社長なら、ほぼ間違いなく会社を潰します。

創業社長であれ、採用され就任した社長であれ、会社の行く末は100%トップで決まります。そういう気構えと覚悟がなければ、トップになるべきではありません。

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