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  • 執筆者の写真松本 啓嗣

海外と日本のランディングページの違いから見えてくるウェブマーケティングの今後。今やるべきマーケティングとは?


前回の記事の通り、ランディングページを見るだけでも日本と海外には、ウェブマーケティングの考え方の違いが見えてくるようです。日本のウェブマーケティングは、基本的には先行するアメリカを後追いする形で始まり、その後独自の道を歩む傾向があるようです。ただし、どうも1周ほど回ると、やはりアメリカや海外の傾向に戻っていくよな気がします。


主な内容

  • アメリカを後追いする日本のマーケティング

  • 日本はアメリカのマーケティングを独自の解釈で運用する

  • それでもやはりアメリカを追いかける日本

◇◇◇◇◇◇◇

■アメリカを後追いする日本のマーケティング

実は、海外と日本のランディングページの違いをテーマに挙げたのは、それぞれを比較するためではなく、日本と海外、とりわけ、アメリカとのウェブマーケティング(インターネットマーケティング)との違いを見ながら、マーケティングの将来的な傾向を考えてみたかったからです。

日本と欧米には異なるライフスタイルがあります。しかし、やがて日本も、そんな欧米の価値観が取り入れられ、私たちの生活に当たり前のように浸透しています。文化、風習など、まだまだ違いがあるにしても、そんな欧米のライフスタイルに大きな違和感を感じることはなくなってきています。

レジャーや旅行、様々な娯楽・・・、さまざまなものが欧米で生まれました。事情が異なる日本では、そんなものが浸透するとは思われることすらなかったものなでもが、今では、私たちの日常になっています。

なぜでしょうか?

そもそも、欧米、とりわけアメリカで築かれた様々な新たな文化やライフスタイルは、私たちが自然に持つ本質的な価値観とも共感できる部分が多いのではないでしょうか?特定の集団のためのものではなく、良いものは良いとし、悪いものは悪いとする、人が感じるままの価値観に従う文化やライフタイルがあります。もちろん、文化の違いや物理的な環境の違いにより、全てがそのままの形では受け入れられるわけではありません。しかし、多くの人が自然と受け入れられるものは、そんなことすら知らなかった人たちにとっても、やがて受け入れられる、そんな素地が人の中には既にあるはずです。アメリカにはそんな文化やライフスタイルがあるので、日本を含め多くの国々でも、アメリカを後追いするようなライフスタイルが生まれてきます。

マーケティングにおいても同じ傾向が見られます。

世界にあるほとんどのマーケティングの理論やメソッドはアメリカで生まれ、日本を含め、世界へと広がっています。

なぜでしょうか?

それは、世界がアメリカのライフスタイルを取り入れ、その価値を受け入れているからではないでしょうか?

ライフスタイルは、生活だけではなく仕事を含む、あらゆる社会活動のベースになります。つまり、マーケティングを考える上での原点につながります。

世界はアメリカの動向を常に見ています。それがいい、あるいは良さそうと思えば、直ぐに取り入れようとします。ライフスタイルを後追いするところから、すでにマーケティングも後追いする構図が知らず知らずの間に出来上がっています。

「日本で成功したものが世界で通用するかは分からない。でも、アメリカで成功したなら日本でも成功する」

アメリカの価値観やライフスタイルを自然と受け入れているところから、そんな考え方をどこかで持ってしまっているのではないでしょうか。特にインターネットの世界では。。。

 

■日本はアメリカのマーケティングを独自の解釈で運用する

ただし、アメリカと日本で大きく異なる点は、アメリカはいろいろな新しい発想で様々なマーケティングが生まれ、効果をあげますが、一方で何か問題が表面化すると、直ぐに法律や条令による規制、または業界団体が結成され自主規制が行われます。「良いものは良い。しかし、悪いものは悪い」、そんな価値観が、マーケティングにも根付いています。

例えば、訪問販売、ポスティング、電話営業にテレマーケティングもそうです。これらは。どれもアメリカを追って日本でも多くの企業が盛んに取り入れ、成功したとても伝統的(レガシー)なマーケティングです。

これらのマーケティングは、アメリカでは、今では、ほぼどの州や自治体でも、何らかの法規制を受けていたり、あるいは、業界団体により自主規制が行われています。やってはいけないわけではありませんが、ルールを守らなければ処罰の対象になるか、または業界団体によるお灸をすえられます。特に一般消費者向けの営業には厳しい目が向けられています。

一方、日本ではどうでしょう?

日本ではよっぽどのことがない限り、法律による取り締まりの対象や、業界団体にようる自主規制などはありません。今でも訪問販売はほぼ自由に行えますし、ポスティングも、電話営業もテレマもほぼ何の規制もなく、自由に行えます。

最初に法整備やシステムをしっかりと組み立てるのが日本ですが、それらが間に合わず取り入れられたものには、法整備も自主規制も追いつかず、あるいは整備しようとする動きも起きづらく、ある意味、野放し状態になってしまうことが多いのも日本の特徴です。

最近、訪販やテレマなど、売り込み型の営業やマーケティングが少なくなったのは、法律や業界団体の規制ではありません。費用対効果が悪く、お客にも嫌がられるからです。特にインターネットが普及した今では、真実はどうであれ、企業の悪い評判は直ぐに広がります。生産性が低く効率が悪いだけでなく、評判まで落としてしまっては、元も子もありません。だから、訪問販売を初めとする、売り込み型の営業やマーケティングは少なくなっています。しかし、そんなことなど気にしない企業は、今でもせっせとやっています。

法規制や自主規制が直ぐにできる点が、その後のアメリカと日本のマーケティングを変えている、とマーケの得ダネでは考えています。

つまり、規制をどんどん追い越すように、次から次へと、より効率的な、より効果的な、そしてお客から受け入れられる新たなマーケティングを開発しようとするアメリカと、一つのことが成功すると、ここぞとばり一斉に多くの事業者が取り入れ、新しい手法が現れるまで、これでもかこれでもかと同じことを押し付ける日本のマーケティングの取り組み方や考え方の違いのように見えます。規制がないわけですから。

(日本でも業界団体はありますが、消費者や顧客保護の立場より事業者を守るためのものが多いようにも思えます。)

初めはアメリカから取り入れたものでも、日本の事業者の解釈次第で、その後の運用は大きく変わります。お客の立場で考えた良し悪しで、お客を保護する規制がなかなかできづらいので、事業者主導の営業やマーケティングが横行します。ランディングページにおける海外と日本の違いにも、そんなマーケティングに対する考え方や取り組み方の違いが表れているのではないでしょうか。

 

■それでもやはりアメリカを追いかける日本

特にインターネットやウェブマーケティングでは、アメリカ先行型が顕著です。日本はアメリカの流行りを少し遅れて取り入れる、そんな構図がほぼ出来上がっています。

ステップメールやメールマガジン、メールDM、ソーシャルメディア、各種ウェブ広告、ランディングページ、ウェビナー、プロダクトローンチ、SEO、コンテンツマーケティングなど、どれをとってもアメリカ先行型です。

その多くは進化し姿を変えています。規制を受け淘汰されたものもあります。しかし、また新しい形で生まれ変わります。

例えば、今、アメリカで何らかの形でコンテンツマーケティングに取り組む事業者は9割ほどと言われています。驚異的な数字です。日本でも2014年あたりから増え始め、昨年はブームとも言われるほど、取り組む事業者が増えました。

一方で、経済的成果がなかなか表れないため、断念する事業者も増えています。業者主導でコンテンツマーケティングが広がっているため、どうしても営業色が強くなります。そうすると、収益化の手段として期待して取り組む事業者が多くなるため、こんな事態が起きてしまうのではと推測します。それぞれの事業者が、自社の体力や力量をしっかりと考えないまま、取り組んでしまうからです。

アメリカの事業者の多くは、コンテンツマーケティングに取り組む理由を、関係性とブランド認知確立のためと考えています。最終的には収益を伸ばすことを期待していても、それを目的とはしていません。そのため、無理をせず、できるところから少しづつ取り組んでいます。業者主導のコンテンツマーケティングではありません。

ランディングページも業者主導です。マーケティング主導ではありません。そのため、どこも同じような売り込み型ページになり、ユーザーの反応も次第に悪くなります。それでも業者はランディングページを売り込まなければいけません。

実は、アメリカでもランディングページの登場当初は、日本のような縦長の売り込み型タイプのものが多くありました。今ほど、ウェブデザインが洗練されていませんので、ほとんどテキストベースのストーリ性のものだったようです。しかし、今では、そんなランでイングページはほとんど見受けません。スッキリシンプルな、デザイン性重視なものが多くなっています。

一時期アメリカで大ヒットしたプロダクトローンチもそうです。日本では業者主導でノウハウを売り込むものが多くありましたが、多くの事業者はあまり成果を出せていないようです。当初、アメリカのプロダクトローンチは日本のものとは比較にならないほど、激しい売り込み型でした。しかし、アメリカでもそんな露骨な売り込みタイプのプロダクトローンチは激減しています。お客に敬遠されるからです。

今、日本でピークを過ぎている、敬遠され始めている、問題になりつつあるマーケティングの手法や施策などは、直ぐにまた、アメリカの後追いが始まります。

つまり、業者主導から、顧客主導のマーケティングに移り変わります。なぜなら、いくら業者が囃し立てようにも、もうそんなに儲からないからです。その時は、お客も業者も同じよな目線で話ができますので、じっくりと腰を据えて、各事業者のペースで取り組むことができます。

コンテンツマーケティングは、もうすぐそんなフェーズに入ります。

ランディングページは既にそのフェーズに入っています。

 

インターネットでは様々な新しいマーケティングが生まれては影を潜めていきます。

まず、大きく成功できるのは、それ開発した者、そしていち早く取り入れたごく一部です。

次に成功できるのは、そのノウハウをお金で買って実行できる十分な資金を持っている事業者です。

ここまでは条件が揃えば、誰でもほぼ確実に儲けられます。

しかし、ここまででほぼ一巡してしまいます。

その先大きく成功せきる事業者は限られます。同時に失敗する事業者も増えます。多くの業者がこれでもかと進めている時は、既にこのフェーズに入っていると考えて間違いありません。儲けられるフェーズではありませんので、しっかりと目的を持ち、自社の体制を考え、計画的に取り組むことが求められます。

同じマーケティングの施策でも、既にアメリカと日本の状況に特に顕著な差が見られるときは、慎重になる必要があります。



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