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執筆者の写真松本 啓嗣

ランディングページは日本と海外でこんなにも差が出る。海外のLPを見てみる。


ランディングページは、そもそもマーケティング先進国、アメリカで誕生し、日本で取り入れられるようになりました。しかし、アメリカや海外のランディングページは、開発当初のそれとは随分様子が変わっています。一方、アメリカに追随する形で取り入れられた日本のランディングページは、世界の動向とは異なる独自の道を歩んでいます。今では、日本と海外でもかなり違うものになっています。今回の記事では日本と海外のランディングページの違いを見てみます。


主な内容

  • 日本のランディンページの殆どはアメリカでは規制の対象?

  • 成功している海外のランディングページ(例)

  • 短くスッキリでもポイントは的確に伝え、デザインをも重視

◇◇◇◇◇◇◇

■日本のランディンページの殆どはアメリカでは規制の対象?

ランディングページ(LP)はご存知かと思います。インターネットではよく見かける、縦長1ページの売り込みタイプのサイトです。

でも、あの縦長の売り込み型のランディングページを見て、実は、うんざりしている方も少なくないようです。もちろん全てのランディングページがそうというわけではありませんが、やはり、何だか売り込みをかけられているようで、不快に思う人が多いようです。

アメリカのウェブマーケターがこんなことを言っていました。

「日本のウェブマーケティングは無法地帯だね。アメリカだったら、完全アウトだよ」

彼が見ていたのは、日本のとある会社のランディングページ(LP)のことです。誇大広告で消費者をいたずらに煽るものばかりで、間違いなく規制団体からの規制対象になると言っています。彼にはそれが「無法地帯」に見えたようです。

実際に規制の対象になるかどうかは別にして、海外のマーケターには、日本のランディングページにはそんな印象を受けることもあるようです。

このように海外のマーケターには、「誇大広告で煽り過ぎ」と捉えられがちですが、日本では、むしろ、こうしたランディングページ(LP)こそ、良いもの、とされています。

この差はどこから来るのでしょうか?

そこで海外のランディングページをいくつかピックアップしてみました。日本のものと比べてみて下さい。

 

■成功している海外のランディングページ(例)

ここで海外の実際のランディングページをいくつか見てみましょう。これらは、実際に高いコンバージョンを獲得しているものばかりです。ランディングページとして成功しているものです。

まずはWistiaという会社のランディングページです。一目見ただけでアカウント作成フォームであることが分かりますが、余計なものはなくとてもシンプルにできます。これだけだよくわからに人のために、スクロールダウンで説明もつけています。

https://wistia.com/account/signup
 

とてもシンプルですが、はっきりとコンバージョンへと誘導しているのが分かります。まずはファーストサイトで目に入る画面状のデザインがオレンジ色のCTAボタンへと意識を誘導しています。スクロールダウンすることで説明部分から、さらにCTAボタンへと誘導されます。それぞれの説明をクリックすると詳細ページにも飛びます。1ページの縦長にせず、すっきりとしたページ構成に仕上がっています。ポップアップも設置されていて、コンバージョンへ誘っています。


 

これも、直ぐに何をして欲しいのかが良くわかるランディングページです。「初心者のためのインバンドマーケティング・ガイドが無料で欲しい方はコチラ」と言う感じです。デザインもスッキリでしつこさやいやらしさを全く感じさせません。


 

このランディングページは少々長めです。しかし、そんなに読み込む感じでもなく、それほど長さを感じさせません。全体的に統一されたデザインで、売り込み感はそんなにありません。最初に目に入るのは、アイキャッチ動画で、サイト訪問者を上手にコンテンツへと惹きこみ、CTAへと誘導しています。


 

Conversion Lab

このランディングページは日本のものにも似ていますが、嫌みな売り込み感は全くありません。短くスッキリと特徴やベネフィットを的確に伝え、コンバージョン(問い合わせ)へと誘導しています。また、問い合わせでも、どんな問題を抱えているかを明示的にしているため、より真剣なリードを獲得することにつながりそうです。デザインもスッキリシンプルで見やすくなっています。また、LPからブログへと誘導しているあたりにも特徴があります。LPからコンテンツマーケティング、また逆に、コンテンツマーケティングからLPへと回遊できる作りになっています。


 

いかがでしょう、どんな印象を受けましたか?

 

■短くスッキリでもポイントは的確に伝え、デザインをも重視

実際に具体的な日本のランディングページを引き合いに出して比べることはしませんが、海外のランディングページは、どれもとてもスッキリシンプルに仕上がっていると思いませんか?長さも短めに抑えられています。少なくとも上から下まで、ずっとスクロールダウンするような作りにはなっていません。

また、ランディングページでは極力文章は少なくしていて、短いフレーズでもストレートにポイントが伝わる文章構成になっています。見る人にどうして欲しいかも、CTAではっきりとしてます。かと言って、変な売り込みも感じません。

縦長にならず短めにスッキリさせながら、ポイントは的確に伝え、CTAに誘導している

デザインをも重視されている

こういった特徴があります。

また、日本のものと大きく異なる点は、必ずしも1ページではないということです。

そもそもランディングページとは、着地ページという意味です。サイト訪問者が、まず最初に着地するページです。その意味ではホームページのトップページがランディングページであっても間違いとは言い切れません。しかし、ある一つの目的(CTA)を果たすためにデザインされたウェブサイトという意味では、通常、ホームページとは異なります。ただし、複数ページあることが、その目的を果たすために有効なら特に問題ではありません。

全ての情報を1ページを収めようとすると、どうしても情報量が多くなり過ぎ、恐ろしく縦長になってしまいます。クリックで他のページに飛ぶと、離脱率が高まるというのがその理由ですが、海外のLPを見る限りでは、必ずしもそうとは限りません。むしろ余分な情報は見る必要がないので、むしろこちらの方がスッキリしていて良いとも感じます。詳細情報は、個人の関心や理解の度で見るか見ないかを決められる方が、「全部見て」と言わんばかりのものより、しつこさや変な無理込を感じさせません。

むしろ、日本のランディングページの方が長すぎて途中で離脱するケースが多そうとも言えそうです。B2C(BtoC)ならいいかもしれませんが、おそらくB2B(BtoB)では逆効果です。そんなに縦長のランディングページをじっくりと見ようとする担当者はあまりいません。

さて、海外と日本のランディングページの傾向の違いから、どんなことが見えますか?

同じランディングページでもその傾向が違うときは、今後日本のランディングページにも何か変化が見られるのでは、と思いませんか?さらに、その傾向をランディングページだけに絞らず、もっとマーケティング全般に視野を広げると、今、日本で流行っているマーケティング施策の今後の傾向も見えてくると思いませんか?

次回の記事では、今回の海外と日本のランディングページの違いの話をもう少し広げ、その違いから見えてくる日本のマーケティングの施策について考えてみます。



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